切歯破折(せっしはせつ)・不正咬合(ふせいこうごう)
症状
- 食事が食べられない。
- 口が閉まらなくなる。
- よだれが垂れる。
- 歯肉から出血。
- 歯肉の炎症。
- くしゃみ。
- 鼻水。
原因
- 金網などをかじって歯が曲がった、歯が欠けた。
- やわらかい物ばかり食べて歯が伸びすぎた。
- 生まれつき歯並びが悪かった。
- 遺伝。
- カルシウム不足。
- 高い所から落ちた、回し車で転倒した。
治療
- 伸びすぎた歯を削ってもらう、切ってもらう。
- 定期的に切る場合は3〜4週間ごとに切ること。
- うまく餌を食べられない状態のときは、砕いたペレットや柔らかい餌を、歯が正常に戻るまで与える。
予防
アドバイス
門歯(前歯・切歯)が折れてしまうことを「切歯破折」、噛み合わせが悪くなると「不正咬合」、門歯が伸びすぎると「過長歯」です。
落下したり転倒して歯をぶつける、ケージを噛んで歯が引っかる、などの事故が折れる原因です。
餌は適度な硬さのある実験動物用ペレットタイプが一番ですが、市販のペレットには硬すぎる物があるので注意しましょう。
ケージを噛む原因は、歯が伸びるげっ歯類だからだと思いがちですが、脱走しようと考えてしまう悪い環境や、ストレスでイライラしていることが原因です。
囓り木を使ってもリスクが増えるだけで、根本的な解決にはなりません。
切歯破折は飼育環境の改善や接し方で防げる怪我です。
放っておくと、過長歯や歯周病になる場合があります。
餌が食べにくくなり、栄養失調や他の病気にもかかりやすくなります。
歯肉の近くや歯肉の中で折れると、歯髄が出て出血したりします。かなり痛いので、食事ができなくなります。
炎症が広がると顔が腫れたり、呼吸困難を起こします。
ハムスターの門歯は一生伸び続けますが、食べたり歯ぎしりすることで門歯が適度に削れ、尖った状態を保てます。
そのため正常な状態でも、歯の先端が欠けたり、左右均等に生えそろっていないこともありますが、餌が適切なら元に戻ります。
しかし、飼い主が気づくくらい歯が折れてしまうと、自力で元に戻すことができず、獣医師に歯の長さを揃えてもらう必要があります。
歯の根もとの歯根(歯髄)が正常なら、歯が折れてもまた伸びてきます。
しかし強い衝撃で歯が折れたときは、歯根が折れていたり傷ついていること多く、門歯が足りないまま一生を過ごすことも多い様です。
歯はレントゲンに写るため、動物病院で歯根を撮影してもらいましょう。
歯が伸びなくなると、対になる歯が削れず伸びすぎるため、定期的に歯を切る必要があります。
獣医師に切ってもらうか、指導を受けて自分で切りましょう。
慣れない人が歯を切ると健康な歯の歯根まで傷つけてしまい、他の歯もダメになってしまいます。
ヒマワリの種やミルワームはリンとカルシウムの比率が悪く、与えすぎるとカルシウム不足になる可能性があります。
しかし、ハムスターが主食にしている穀物だけではカルシウムが多く、尿路結石のリスクが高くなるため、成長中の若い個体には与えすぎない程度で良いようです。
自分で食べたい要求は残っているので、歯が折れて上手く食べれなくても、自分で食べられるように工夫しましょう。
剥いたヒマワリの種を与えるのではなく、ニッパーで切れ目を入れるなどして、自分で割って食べられるようにする。
ペレットを小さく砕く、キャベツを細く刻むなどです。
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