もうオヤジとは言わせない!コレさえ読めばハムスターの達人に!

寿命・年齢換算・長生きさせる方法

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小動物に詳しい獣医師にハムスターの寿命を聞いたことがりますが、答えは「分からない」でした。当然、私がこのサイトの管理者だと知っての返事です。
登録義務もなく、病院に行かない・報告しない飼い主や、病死を寿命だと思い込んでいる飼い主もいて、正確なデータは誰も知らないからです。そのためハムスターの寿命は、誰かの経験であって正確な統計ではありません。

このページでは、寿命や年齢換算表だけでなく、寿命が尽きるとどうなるか、長生きさせる方法や、病死と寿命の区別、本当ならこれくらい生きるだろうという目標を書いています。

寿命という言葉の使い方

このページに使っている写真は、寿命とは直接関係のない写真が多いです。

寿命とは、生まれてから死ぬまでの時間のことですが、問題がなければ老化し老衰で亡くなるため、ペットや人間は老衰死(老衰で亡くなること)を寿命ということが多いです。

たとえば、先天的な病気で1歳で亡くなった場合でも寿命だと言えますが、ストレスやエサなど外的(飼い主)な原因で病気になったり、事故やケガで亡くなった場合は寿命とはいいません。
そのため、安易に寿命という言葉を使ってしまうと、責任を放棄したと思われ怒られることがあります。

野生では冬になると必ず亡くなってしまう生き物の寿命を「生態的寿命」といい、冬のない環境で育てると野生より長生きする生き物の寿命を「生理的寿命」といいます。
ハムスターは内温動物なので自分で体温を調節でき、エサを溜めて食べ物の乏しい季節も乗り越えてしまうため、環境の影響を受けづらい生き物です。さらに環境は飼い主次第なので、ペットの寿命は生理的寿命を寿命といいます。

寿命が尽きるとは

子供でも分かりやすい様に、代謝を「お金」にたとえて説明しています。このたとえは後の記事でも使っています。

息を吸い、食事をして、ケガや病気が治るのも代謝(細胞分裂)で、生きているうちは常に代謝をしています。
しかし代謝ができる回数に限界があり、使い切ってしまうと寿命です
たとえば代謝の限界を100万円だと考えると、毎日1万円ずつ使うと100日で、毎日100円ずつ使うと1万日生きられる訳です。

余計な物を食べさせていたり、ストレスを与えていると、代謝が多くなり、無駄遣いが増えて寿命が縮んでしまいます。また、部分的に無駄遣いすると、そこが代謝の限界を超え病気になってしまいます。
お金の使い方と同じで、普段は節約し必要な時にはたくさん使える状態だと、長生きさせられるわけです。

この100万円も、親から80万円しかもらっていない短命の個体や、120万円もらった長命の個体がいます。
繁殖方法や毛色でも、その個体が持ってる寿命は違ってくるため、「ハムスターの選び方」を読んで強い個体を選べるようになりましょう。

生まれてから老化するまでの変化

「お星様」ではなく「あこがれのスター」になってね。パッと見て年齢が分からないところが魅力であり弱点。

飼い方が悪いと、老後の蓄え(代謝)を前借りしている状態になり、老けるのが早い短命に個体になります。

成長期

生まれてから繁殖できる体質なるまでの成長期には、体を繁殖に適した大きさや性能にするために、体の大きさに比べて多くのエネルギーを作り消費します。
臓器の代謝の貯金もほとんど残っていて、病気になるまで使い切ってしまうことは少ないため、成長期に亡くなるほど病気が悪化することは希ですが、成長不良になる可能性はあります。
親から遺伝する自然免疫しか備わっておらず、生まれた後に異物と接触して記憶する獲得免疫が少ないため未知のウイルスに弱く、子供にしか感染しない病気もあります。ハムスターは家から出ることがないため、飼い主が余計なことをしなければ、獲得免疫は無視できるレベルです。

繁殖期

動物に限らず、生き物として最も美しい時期です。体重や毛並みなど、その個体の判断基準できる時期です。記録しておきましょう。
免疫力が高く、体力も余裕がある時期で、代謝の貯金もまだまだ余っているため、成長期より病気になりにくい時期です。たとえばメスだと、自分の体にプラスして赤ちゃんのエネルギーを作り出せるくらい余裕があります。
しかし、成長期に比べ代謝が下がった状態です。子供の頃は冬でも半ズボンだったのに、夏でも長ズボンでないと冷えるなど、元々体の弱い個体は、この頃から症状が現れていることがあります。
食事が少なく体が小さい、集中力がない、妊娠しづらいなど、体質や性格だと思われがちですが、病気の症状かもしれません。

中年期〜老年期

体が節約モードになり、使えるお金(代謝)が徐々に減ってゆき、老化現象が現れます。
若い頃に、暴食して内蔵に負担を掛けていたり、トイレを覚えていないなど細菌が増えやすい生活をしていると、体を治すための貯金が少なくなっているため、さらに発病しやすくなります。

老化の個体差

成長が老化だとすると喜び人も減りそう。

成長に個体差は少なく、老化の個体差は大きいです

人間との年齢の目安」でヒトのオスの性成熟が8歳開いていますが、成長の差は栄養失調にでもならない限り、ほとんどの2〜3歳くらいの違いしかありません。ハムスターの年齢に換算すると誤差レベルです。

しかし老化現象は、その個体の体質や生活に影響されるため個体差が大きく、どこが弱りやすいのかは飼い方や個体ごとに違い、何歳まで生きられるかは誰にも分かりません。
たとえば、子供の頃から食事制限をすれば何とか生活できる人や、逆に不摂生だと思われている食生活でも100歳を超える人もいます。全く同じ環境で同じエサを与えていても、亡くなる日はバラバラで、同じ病気になるとも限りません。集団飼育しても自家繁殖個体でも、2年以上死亡日が開くこともあります。
そのため、「何歳になったら」「何歳だから」といった判断が当てになりません。

病気になった、亡くなったなど、事後にこのページを見ている人は、治療を諦める基準が欲しいなど、死を正当化したいことが理由だと思いますが、この先何年生きられるかは獣医師でも分からないので、できるかぎり治療してあげましょう。
また腕の良い獣医師も商売なので、飼い主に治療する気持ちがないと思うと、治せる病気であっても寿命という言葉を使います。本当に助けられない病気であっても、他の人が飼い主だったら、もっと長生きしたかもしれないと考え、異変に気づけるように目を養いましょう。

老化現象で現れる行動や症状

体のバランスが崩れると姿勢が悪くなります。

歳を取るとお金(代謝)が毎日100円必要なのに、使えるお金が99円になってしまうと、老化の始まりです。
さらに歳を取ると98円、97円と少なくなっていき、老化現象も強くなり、体の機能が徐々に弱ってきます。
老衰とは老化で衰弱することなので、病気で衰弱したときと症状が似ています。全ての症状が現れたのなら老化だと考えましょう。

食べる量が減る

基礎代謝が減っているので、必要なエネルギーが減り食事の量も減ります。
必要な分しか食べない動物なので、オヤツを大量に与えたり、病気が原因で偏食しないかぎり、歳を取ってから肥満になることはないと思います。

食事に時間がかかる

消化器官や飲み込む力(嚥下)が弱ってくるため、食事に時間がかかるようになります。
胃腸が強い個体や、急いで飲み込んでしまう個体は、分かりにくいかもしれません。
筋肉が衰えると噛む力も弱る可能性がありますが、元々噛む力が強いため、よほど硬いエサを与えていない限り、ハッキリ分からないと思います。

筋肉が減る・体重が減る・痩せてくる

筋肉を維持するのはエネルギーが大量に必要なので、歳を取ると筋肉が減り、体重も軽くなります。若くて健康な人間でも運動を止めると筋肉が減ってきますが、筋肉が多いと体の負担になるからです。
筋肉の代わりに脂肪が多い個体は、脂肪なら蓄えられる体力がある証拠で、筋肉も脂肪も少ない個体は若くても要注意です。
痩せた個体の背骨は、触るとゴツゴツ骨張っています。中型犬くらい大きければ分かりやすいですが、ハムスターだと慣れていないと指の感覚で分かりづらいかもしれません。

姿勢が悪い・姿勢が安定しない・座り方がおかしい・体が小さく見える

いろいろ理由はあります。
筋肉が減る、脂肪も減る、体毛が減る、体毛が細くなる、骨や関節が弱くなる、体が冷えやすいためいつも丸くなっているなどです。
若い個体でも姿勢が悪いと、病気が進行している可能性があります。私はあまりハムスターを触らないため、姿勢で病気に気づくことが多いです。

運動量が減る

老化すると作れるエネルギーの量が減り、活発に動けなくなります。
動物は無意識に楽をして体を動かそうとするため、健康な人間でも疲れると、足の上げ方が足りずにつまづいたりします。
元々出不精で巣箱に籠もることが多いですし、安全だと思うと散歩(縄張りの巡回)も自分から減らす動物なので、他の動物と違って判断基準にするのは難しいです。
回し車をよく走るのは、1年目か、ロボロフスキーハムスターくらいなので、回し車もあまり参考になりません。

怒りっぽくなる・ミスが増える

脳もエネルギーを大量に使うため、考えるのがめんどくさくなり、気が短くなります。
性格や経験の影響の方が大きく、若い頃より賢い年寄りもたくさんいて、変化が分からない個体もいます。
オヤツをもらおうとして転んでしまうのは、気持ちが焦りすぎていることが原因で、これも気が短い証拠です。頭の良い個体やしっかりしつけている個体なら、もらえるまで座って待っているはずです。

体毛がまばらになる・毛のツヤが悪い

体温調整や、うまく換毛できなくなり、夏毛と冬毛が混じったり、抜けた毛が生えてこず部分的にハゲてしまいます。
老犬だとハッキリ分かることがあるのですが、上手く換毛できない個体の場合は分からない可能性もあります。
脇腹など足で搔きやすいところや、腹側がハゲているのは、老化とは関係のないことが多いです。あくまでも体毛が上手く生え替わっていない場合だけです。
栄養状態が良かったり、こまめに毛繕いしている個体だと、毛づやは分からないかもしれません。

爪がもろくなる・爪が長くなる

過長爪が老化現象の1つなので候補に入れていますが、見たことはありません。
老化すると運動量が減るため、老化の症状として過長爪になる可能性はあります。しかし野生と違い動き回らなくてもエサの採取ができるため、若くても過長爪になりそうなのですが、自分で爪を切りそろえられるため、爪が伸びすぎることがありません。
老化すると爪が折れやすくなるため、脱走するような飼い方をしていると折れやすくなるかもしれません。

すぐに起きてこなくなる

エサを溜める習性があるため、エサの量には困らないですが、エサを溜めることを楽しみにしているため、エサの時間になると毎日巣箱から出てきて待っています。
しかし、老化で耳や鼻が鈍くなり、体力が衰えてくると、エサの時間になっても気づかなかったり、起きられなくなります。

小便の回数が増える・冷え症になる

写真だと光の加減で分かりづらいですが、固まるトイレ砂だとオシッコの量が把握しやすいです。

筋肉や食事量が減ると体が冷え、体に水分を溜められなくなるため、小便が近くなります。
1回のオシッコの量が減るため、固まるトイレ砂を使っていると砂の固まりが小さくなったり、オシッコがトイレの底まで到達してないことがあります。
元々ハムスターは水をあまり飲まないため、体が冷えないように水を飲む量が減るかもしれません。その場合は腎臓の病気 に気をつけましょう。
体が冷えてしまい、寒さだけでなく暑さにも弱くなります。体温が調節できないため、寒いと巣箱から出てこなくなったり、暑いと巣箱から出たり入ったりを繰り返します。お腹が冷えやすくなるため、暑くても仰向けで寝なくなります。

便が小さくなる・軟便になる

食べる量が減ると便が小さくなります。
体が冷えると、小便の回数が増え、便秘気味になってきます。
さらに体が冷え、上手く消化できていないと、軟便気味になってきます。
健康な時より、体質や与えているエサに影響されやすいです。

勘違いしやすい症状

歳を取ると歯が弱くなるイメージがあるかもしれませんが、歯は弱くなりません。
もし歯に影響が出たのなら歯周病が原因です。

寿命(老衰死)と病死の違い

先天的な斜頸で真っ直ぐ立てない、チャイニーズハムスターです。私もすぐに気づけないことも多いです。

人間でも老衰で亡くなる人は10%もいません。
ハムスターだと未発見の病気や治療できない病気が多くなるため、寿命(老衰)で亡くなる可能性はほとんどないと思います。

病気については別のページに記事があるので、「老化・老衰」や「病気データベース」を見てください。

病気が1つではない

複数の臓器が少しずつ弱ってしまい、治療方法がなくなり、多臓器不全や全身疾患で亡くなるパターンが寿命(老衰死)です。
特に弱っている臓器の症状が強かったり、治す方法が無くても、直接的な死因になれば病死です。

眠る姿ではない

亡くなる寸前にけいれんした可能性がありますが、老衰死の場合は眠ったまま亡くなるため、眠る姿ではなかった場合は病死だと思った方が良いです。

後天的な病気やケガ

先天的は生まれる前から、後天的は生まれた後からのことを言います。
老化で内臓が悪くなってくると内出血する可能性はありますが、外出血することは希だと思います。
自分が飼ってから病気やケガをさせたことが原因で亡くなったのなら、当然寿命とは言いません。
自分で繁殖した個体は親の体調管理の問題なので、先天的な病気であっても飼い主の責任になります。

先天性の病気を飼い主が悪化させた

生まれつき心臓が悪いのに、ストレスをかけたり甘い物を与えて、飼い主が悪化させた場合も寿命ではありません。
足が足りないなど、目に見えて障害のある個体はペットショップでは販売されませんが、内臓に問題がある個体は意外といます。他の個体と行動や嗜好性の違いをヒントに飼い主が見つけるか、健康診断のついでに病院で調べてもらいましょう。運が良ければ見つかるかもしれません。

先天性の病気に対して治療方法が無くなった

野生動物の場合は、病気を悪化させない食べ物や行動を自分で選択できます。
そのためペットの場合は生まれつきの病気であっても、治療しなかったり、効果的な改善方法を見つけられなかったり、病気に気づかなかった場合も、寿命ではありません。
治療方法が無くなると、諦めた方が良いという意味で、獣医師は寿命と言うかもしれません。

感染症

もし常在菌が増えたことで病気になっても、増える原因を飼い主が作っていたり、減らす努力をしていないことが原因です。
メスだと子宮蓄膿症など発病させやすいですが、これもハムスターを触ったり巣箱が汚れることが原因です。

肥満症

薬の副作用で太ることもありますが、老衰死は衰弱するため、普通は痩せてしまいます。

突然死ではない

生まれてから持っている貯金(代謝)を、徐々に使い切ってしまうため、症状が現れてから亡くなるまで、かなり時間がかかります。症状や年齢によっても違いますが、老化現象が現れて数ヶ月はかかると考えましょう。
徐々に体温が維持できなくなっているのに、直接的な死因が凍死になることが無いようにヒーターは常に使えるようにしましょう。
映画でかっこいいセリフを言い残して死ぬシーンがありますが、失血死などの場合を除き演出で、話せる元気があるのならすぐに死ぬことはありません。

若くない

老衰死は老化が原因なので、若い個体は除外されます。
かなりザックリですが最低でも、ゴールデンハムスターで3歳、ジャンガリアンハムスター2.5歳、ロボロフスキーハムスターなら2歳を超えているはずです。
どのハムスターも4歳を超えたら、上級者も寿命だと納得してくれると思います。

最長の寿命は?

人間だと1年で1000回以上食べている人もいますよね。

聞いた話だけなら

ハムスター 年齢
ゴールデンハムスター 8年
ジャンガリアンハムスター 5年

私が信頼できる人達から話では

ハムスター 年齢
ゴールデンハムスター 5年半
ジャンガリアンハムスター 4年半
ロボロフスキーハムスター 4年

ゴールデンハムスターの8歳は、さすがに長すぎると思いますが、後述する「寿命を延ばす方法」を考えると、あり得ないとも言い切れません。
ジャンガリアンハムスターが5年以上生きた話は、フォーラムでも何件かありましたが、誕生日が明確ではなく削除済みになっているトピックばかりでした。4年半は確実でした。
チャイニーズハムスターは私自身も3匹しか飼ったことがなく、どの個体も病気になってしまったので、寿命は分かりません。あまり話も聞かないですが、ジャンガリアンハムスターくらい生きられるのではないかと思っています。

昔言われていた寿命

ハムスター 年齢
ゴールデンハムスター 3〜5年
ジャンガリアンハムスター 2〜3年
ロボロフスキーハムスター 1〜2年
チャイニーズハムスター 2〜3年

おそらく実験動物や野生のハムスターの寿命から推測した年数で、2000年以前からハムスターを飼っていた人は、この年数が寿命だと勉強した人もいるのではないでしょうか。
ここが大切なのですが、環境の悪い実験動物や野生環境でもこれくらいは生きると思われた年数(寿命の範囲)で、ペットとして飼うとこれより長く生きるはずです。

平均寿命は?

長生きされせられる飼い主は知りたいことがないので、あまりネットを利用しませんし、早死にさせた飼い主が素直に教えてくれるはずもありません。
相変わらず、熱中症凍死の話はよく聞きますし、与えてはならないエサを与えている動画や写真をよく見るようになったので、実はかなり短いのではないかと思っています。
その程度しか分かりません。

実際どれくらい生きるの?

「サンプルセレクションバイアス」とは、聞く人や答えたい人が片寄って、アンケートや統計が変動すること。

このページを読んでいる人が一番知りたい年数かもしれませんが、寿命ではなく私が病死させてしまいやすい年数です。
どのハムスターも2歳を過ぎると病気を発症しやすくなり、2歳半〜3歳くらいに亡くなることが多いです。当然それ以上生きる個体もいますが、3歳に近づくと腫瘍ができやすくなるため、明らかな老化現象が現れるまで寿命を延ばせないのが本音です。
ロングヘアーやノーマル以外の毛色の個体だと、そこから3〜6ヶ月くらい短くなります。

ペットショップでは体調の悪い個体を入荷せず、親が見て分かる奇形の個体は生まれてすぐに子食いされてしまうため、1年以下で亡くなる原因にほとんどが、触りすぎたり、劣悪な環境で飼っていることが原因です。半年以下で亡くなったのなら、虐待死だったと考えてもいいと思います。
とは言っても、よく見ると体型が少しおかしい個体が混じっていることもあり、私が飼っても1歳くらいで亡くなることもあります。

寿命は長くなっているの?

2000年以前からハムスターを飼っている人に聞くと、「昔は特に気にしなくても3歳を超えていたが、今は3歳を迎えるのが難しい」と、私と同じことを言うと思います。
昔は野性味のある強く元気な個体が多かったため、トラブルも多かったですが、飼い方が悪くて亡くなることが多かったです。
飼い方を工夫して生活習慣病で病死させないように飼っていても、腫瘍(この場合はガン)ができ、病死よりガンで亡くなることが増えます。同じほ乳類なので、人間の死因にガンが多いのと同じ理由です。しかし、ガンを発症するまで体力が持たず(寿命の貯金が少ない)、他の病気を発症しやすくなっています。

ますます寿命が当てにならなくなっているため、昔より飼い方は上達しているものの、気をつけることは増えてしまっています。

ゴールデンハムスター

昔に比べ、小さく弱くなっている。250gを超える個体もいましたが、たくさん食べさせても150gくらいにしかならない痩せた個体が増えました。
筋肉質でガッチリしていた個体が多かったのですが、体が小さく細くなっている感じで、ゴールデンハムスター特有の手に乗ったときのずっしり感がなく(筋肉質なので見た目より重い)、なよなよしている感じです。

ジャンガリアンハムスター

昔に比べ、太く弱くなっている。カラーブリードで人気がある毛色が、肥満になりやすい冬体質の毛色が多いため。
プディングやハイブリッドから産まれたノーマルの個体も混じっていると思われます。

ロボロフスキーハムスター

初心者に人気がないため、カラーブリードの被害が他のハムスターに比べて少ない程度。
ゴールデンハムスターが弱くなりすぎているため、ゴールデンハムスターより長生きする個体も多いです。

チャイニーズハムスター

ロボロフスキーハムスターと同じく初心者に人気がないので被害は少ないはずですが、元々が弱いです。
病気にならなければ、昔とあまり変わっていないと思います。おとなしい性格をしているため、弱っているのかを判断しづらいのが本音。

人間との年齢の目安

散歩中にいつもと違う時間に呼んだら、警戒しながら近づいてきました。表情と手つきが、おばちゃんっぽい。

セミの幼虫は人間だと何歳ですか?という話。人間と時間の進み方も体質も違うので、他の動物と比較しても仕方ないんですけどね。
同じ年の友達の体調を、理解したり体感するのが難しいように、他人の体調は医師ですら完全に理解できるほど簡単ではないです。もしできれば病気の発見も簡単です。
人間との年齢換算は、高価なシニア向けペットフードを売るためや、無責任な飼い主や獣医師が、治療を諦めるときに使う口実程度に思っていた方が良いです。

ペットショップに貼っていたハムスターの年齢換算

ハムスター 人間
1ヶ月 6歳
2ヶ月 12歳
3ヶ月 20歳
4ヶ月 24歳
6ヶ月 28歳
1歳 35歳
1歳6ヶ月 52歳
2歳 76歳
2歳3ヶ月 88歳
2歳6ヶ月 100歳

2年生きれば十分だと言いたいばかりの換算表です。2歳6ヶ月を人間の100歳に換算した表だと思います。
この表だと、うちのハムスターは100歳越え率が高いです。

ハムエッグオリジナルの年齢換算表

子供の頃は、自分で繁殖させた個体の成長に合わせています。
括弧に年齢はゴールデンハムスター以外のハムスターです。

ハムスター 人間
3日 9〜10ヶ月
5日 5〜6ヶ月
10日 1歳過ぎ
17日 2〜4歳
1ヶ月 11歳〜14歳
2ヶ月 女子10〜13歳
男子10〜18歳
6ヶ月 女子15〜16歳
男子17〜18歳
11ヶ月 22歳
1歳 24歳
1歳6ヶ月 30代前半
2歳 40歳(50歳)
3歳 60歳(75歳)
4歳 80歳(100歳)
5歳 100歳

生後3日

歩いているというにはほど遠いですが、這ったり寝返りしながら動けるようになります。
人間の場合は、首が座るまでの5〜6ヶ月まで寝返りもできず、「はいはい」ができるようになるのが9〜10ヶ月です。
ハムスターの赤ちゃんは、自力で動けないと乳首にたどり着けないですし、乳首にしがみついて親と一緒に巣箱から出てしまうくらい、首も顎(あご)もしっかりしています。
なぜこんな幼児の頃まで書いているかというと、人間とは時間の進み方が違うと言いたいためです。

生後5日

親からエサをもらい離乳が始まります。人間の場合は5〜6ヶ月です。

10日

自分で歩き回り、自分でエサを食べれるようになります。人間の場合は1歳過ぎです。

17日

兄弟と遊んだりケンカすることが増え、社会的なルールを理解し始めます。人間の場合は2〜4歳です。
人間では親や兄弟の代わりは難しいので、早いうちに親や兄弟と離さない方が良い理由の1つ。
自分の思い通りにならないと学習してもらうことで、些細なことでストレスを感じにくい性格になります。

1ヶ月

親が子供を攻撃し、子供を追い出そうとします。人間の場合は11〜14歳で、いわゆる思春期です。
エサの量やケージの広さが十分だと、兄弟ともほとんど争いません。

60日

性成熟が始まります。人間の場合は女子10〜13歳、男子10〜18歳です。
なぜか動物は性成熟が始まると大人扱いされます。
この頃は初心者が見ても、まだ子供で、セール対象にもなるほど成長していません。人間用の薬は、15歳になれば大人と同じになります。

6ヶ月

ゆっくり成長し、6ヶ月くらいで成長が止まります。人間の場合は女子15〜16歳、男子17〜18歳です。
6ヶ月から1歳6ヶ月くらいまで、繁殖に適していると言われています。ゴールデンハムスターは2歳までだそうです。

11ヶ月

産子数が最も多いのが、ちょうど1歳くらいで、最も繁殖に適した年齢です。人間の場合は22歳が出産には最適だそうです。
子供が生まれる時期と、その子供が親になり出産する時期が1年になるように、1歳から妊娠して出産までの期間として1ヶ月引いただけです。
ちなみに1歳より若いと子食いや育児放棄も増え、1歳を超えると発情しにくくなります。

1年

人間は生物学的な出産に最適な年齢が24歳までらしいので、1歳に合わせただけです。
季節に合わせ生活し、産まれた翌年に繁殖する動物なので、1歳までの成長速度はどのハムスターでも同じ速度です。

1年6ヶ月

高齢出産が35歳以上なので、ハムスターの繁殖に適しているといわれる年齢の上限に合わせただけです。
これくらいの年齢になると、老化の個体差が大きくなってきます。

2年

ハムスターの種類に関わらず、2歳を超えると病気になりやすくなります。人間は40歳を超えると老化現象を自覚しやすいです。
諸説ありますが人間本来の寿命は45歳くらいだそうです。
人間の閉経は平均50歳前後で、早いと40歳以下、遅いと60歳以上で老化に約20歳の差があります。20歳はハムスターの1年に相当するため、2歳で1歳の差が出るとも考えられます。閉経後はさらに体調を崩しやすくなります。
ハムスターは2歳でも出産した事例がありますが、ハムスターには生理がないため判断基準に使えません。
この頃には個体ごとの実年齢(暦年齢)と老化(生物学的年齢)がかなり曖昧になってきます。

2年以降

ゴールデンハムスターが5歳まで生きたとして、残りの人生を人間の100歳に置き換えただけです。
ザックリ1年で20歳くらいだと覚えておけば、だいたいの目安にはなります。
ジャンガリアンハムスターなど他のハムスターは、1年で25歳くらい換算すると、4歳で人間の100歳くらいになります。

寿命を延ばす方法

エサにしている穀物や種子の方が寿命が長いです。

生き物の体は消耗品なので、無駄遣いを減らせば貯金(寿命)が減りにくいという考え方です。
寿命を延びると表現していますが、縮ませない(遅らせる)と表現した方が正しいのかもしれません。

極端な方法で実行してしまうと、私が「実験動物用の様な飼い方」と比喩(例える)する飼い方になってしまい、人間とペットが共存共生する、ペットとしての飼い方と離れてしまいます。
実験動物は、知識のある人が飼い、衛生的で温度やエサも管理され、変化による負担が少ないため、ペットより長生きする個体もたくさんいます。
けなす為に使っている言葉ないので注意してください。

温度を一定にする

このコラムで書いてある方法では、一番簡単で比較的安全です。
エアコンをつけっぱなしにして、年中一定の温度にします。
換毛や発情をしなくなったり、季節による体質や行動の変化が見られなくなるので、生き物を飼う楽しみが減ってしまいます。
ハムスターにとって適温にして換気や掃除を怠ると、細菌が増えやすくなるため注意しましょう。

カロリーを減らす

摂取カロリーを減らす方法は、様々な動物で実験結果が出ています
実験動物用のペレットにカロリー控えめの長期飼育用があり、利用している上級者も多いため、大人の体格になり繁殖の予定がないのなら、長期飼育用を主食にすることが簡単です。
エサに何を与えれば良いかとか、どれくらい量を与えれば良いかなど、他人に聞かなければ判断できない程度の知識と経験では、その個体のベストな栄養状態が分からないため、飼い主がカロリーを調節することは危険です。肥満や冬体質の個体は、さらに難しいと思います。

まずは、長期飼育用を主食に、ハムスターに種類に合わせタンパク質の量を調節し、オヤツ控えめくらいできるようになりましょう。
さらに腹八分目にした方が良いですが、エサを溜める習性がありエサが余っていないと安心しないため、与える量を減らすと逆に寿命が縮みます。普通は食べ過ぎることはないため、ペレットと野菜は多めに与えましょう。
しかし実験施設と違って、個人で飼うと細菌感染など例外が多くなるため、好き嫌いなくよく食べる、体の大きい個体の方が長生きすることもあります。逆にやせ形の個体は病気の進行が早いです。

冬眠させる

冬眠すると長生きする動物がいることも分かっています。
ハムスターは正確には冬眠ではなく、日内休眠や、疑似冬眠ができますが、瀕死状態にさせることに近く、失敗すると死んでしまいます。
SFのコールドスリープやクライオニクスは、人工冬眠させて老化を防ぐ方法です。
冬眠は死ぬ寸前まで代謝を抑えるため、本当に8歳まで生きられるかもしれないですが、温度だけでなく、冬眠できる栄養状態や体質に変化させる必要があり、個人でコントロールすることは難しいため何にせよ危険です。冬に低体温症で凍死した話は、うんざりするほど聞きます。

ストレスを与えない

ストレスを感じていると、体や頭が休めなくなり、ドンドン貯金を使い果たしてしまいます。
ストレスを発散しようと無駄食いしたり、眠れなくなって免疫力が低下したりと、直接的な死因や病気の原因になることもあります。
恐がらせないようにすることがストレスの基本ですが、ここに書ききれないのでストレスを見てください

触らない・接しない

ふれあいコーナーの動物は、触られることをあまり嫌がらない個体が選ばれますが、他の個体の半分くらいしか生きられないらしいです。
細菌感染の原因にもなるため、ハムスターの顔を触ったり、手に乗せるなどして腹側に触れないようにしましょう。
ハムスターを1回触る度、1日寿命が短くなるくらいに考えましょう。

仲の良い個体を同じケージで飼う

お互いに暖め合って寝たり、お互いを毛繕いするため、病気に強くなります。
エサの奪い合いや縄張り争いをしたり、ストレスや細菌が増えやすくなるため、集団飼育できるロボロフスキーハムスターや仲の良い夫婦でも、かなり飼い慣れた人でないと危険です。

シニア向けフードを与えない

老化は個体差が大きく、どこが弱いかで必要な栄養が違うため、シニア向けフードはまじめなペットフード開発者が携わっていません。病院食も患者や病院によって違います。
脂肪を減らすなど一般的に言われていることも、目安でしかありません。実際にヒマワリの種をたくさん食べていたのに、長生きした個体も多かったです。
栄養不足になったり、栄養不足が原因で食べ過ぎることもあるため、逆に寿命が縮む程度に考えていた方が良いです。

健康っぽいフードを与えない

ペットフードに添加されている原材料は、実績や根拠がない物や、人間用には使えない圧搾カスなどを使っていることが多く、ゴミを食べさせている状態になるエサもあります。
効果があっても強すぎて害が出ることがあったり、必要がないと無駄な代謝するため、特別な理由が無いのなら危ないだけです。水でも飲みすぎると死ぬことあります。

長生きさせるための心構え

ノーキル・ノーアラートは死なせず(殺さず)・驚かせず(見つからず)。寿命ならさらにハイスコアでタイムアウトかな?

飼育の相談で特に答えたくないのが、寿命と年齢換算に関する質問です。
助けたいと思い親身に答えてくれる人に、年齢を口実に見殺す理由を求めてくるからです。
こんな質問をしてくる人は、解決策ではなく自分の意見に同意を求めてくるだけなので、1歳を超えたら「仕方ない」と言ったり、治せる体力ある個体でも、患部や原因を調べなかったり、病院へ行くように説得できても、獣医師の提案を断ることもあります。

寿命や年齢換算表を数値化すると分かりやすいですが、動物ごとに時間の流れが違うし、個体ごとに老化の速度も違うため、助けたいと思ってサイトを運営している私からすると、言い訳する口実を作ってしまうため、明確に答えないようにしていました。
ある日、近所のペットショップに「人間との年齢の目安」にある年齢換算表を貼ってあるのを見かけました。ペットショップでも寿命について質問されることもあるのだと思いますが、この表もどこかで見た覚えのある表で、トラブルを避けるためあえて寿命の短い表を選んだのだと思います。
昔言われていた寿命」よりも短いですし、長生きした人の話を否定する人もいて、実は長生きするんだという記事を書いた方が良いと思い、このサイトを始めて18年経って、やっと寿命の記事を公開しました。

ペットの中でも寿命が短いこともハムスターの特徴ですが、それゆえに継続して飼いやすいため、飼育歴が長い飼い主ほど、たくさんのハムスターたちと出会い、専門家が知らないような知識をたくさん持っています。他のペットに比べると寿命が短いですが、必ずしもマイナスになっていないところが、ハムスターが他のペットと違うところでもあります。
しかし飼い主の生物学的年齢(老化)をすぐに追い抜いてしまい、さらに個体差が加わるため、ハムスターの体にどんな変化が起こっているのかは、想像することも難しいため、積極的に勉強する必要があります。
老化が進んでいても、若い頃に比べると遅い程度で、原因の特定ができると治したり抑えたりできる病気も多いです。
年齢=死期でなく、もうそろそろ2歳だから、変化を見逃さないように体重を量ろう、病気に備えて介護食になるものを買い揃えておこうなど、準備のきっかけ程度に考えて飼い方を工夫する方法が良いです。

ペットの寿命は、最長寿命を更新できるように目標にすべき年数で、飼育の失敗を隠すために使うべき言葉ではありません。当然、個体によって時間の流れが違うため、延命すれば良いということでもありません。
ハムスターが亡くなってしまうと悲しいですが、死因で飼育方法が正しかったのかの答えが分かり、老衰で亡くなることは、飼育の目標の1つであることを忘れずに。