保温・暖房・冷却用品(冬・闘病用)
保温・暖房(冬・闘病用)
すきま風が入るような家や、寒冷地や台所など、室温が5度以下になる場合は必要です。
ハムスターは人間より寒さに強いので、飼い主とハムスターと同じ部屋に住んでいて、飼い主の部屋に暖房器具があるなら、普段の飼育に保温用品は必要ありません。まずは、ヒーターを選ぶ前に、自分の部屋にケージを持ってきて、ハムスターと一緒に季節を感じる方法を考えた方がいいと思います。
しかし、空中サーモスタットと保温球の組み合わせは、夏でも使った方が良いことがあるので、ハムスターのことを考えるのなら、持っている方が良いです。
詳しい温度については [ 飼い方 > 温度・湿度 ] にあります。
空中サーモスタット
空中サーモスタットは「空中サーモ」や「爬虫類サーモ」と言われることもあり、空気中の温度を測り、自動的に電源を点けたり切ったりしてくれる、保温器具の補助をする装置です。ちなみに「水中サーモ」は、熱帯魚の飼育に使う水温を測るサーモスタットです。
闘病中や、11月と12月など、時期によって微妙な温度設定ができる空中サーモスタットは、使い方次第で心強い用品です。
ハムスターの飼育では、ケージ内ではなく巣箱の温度を管理する方法が正しいので、温度センサーが本体と分離している物を選ぶ必要があります。また、センサーを内蔵している保温器具とは違い、センサーと発熱部分が一対一でなくてよいので、1台の空中サーモスタットで温度を測り、パネルヒーターと保温球で同時に暖めたり、2つ以上のケージを同時に暖めたりできます。この場合、巣作りが上手いロボロフスキーのケージにセンサーを設置すると効果的です。
いろいろタイプはありますが、温度表示できる物は、温度によってハムスターがどう行動するか判断しやすいので、最適な飼育環境を作るのに便利です。たとえば、巣箱の中が暑すぎて巣箱を使わなくなったり、巣箱の外が寒すぎてトイレに行かなくなったりする行動を、客観的に判断する材料にしやすいということです。さらに、空中サーモスタットで巣箱の温度を測り、温度計でケージ内の温度を測ると、より分かりやすいです。
タイマーが付いている物は、最も寒い明け方だけ暖めたり、忙しい人や留守がちの家には、かなり便利です。
ほ乳類は気温の影響を受けにくい生き物ですが、体温を維持するために、かなりのエネルギーが必要で、細胞や細菌は正常な体温の時に最も活発に活動します。
たとえば、お腹が痛いときに、お腹に手を当てたりさすったりすると楽になるのは、外から体温に近い温度で暖める効果があるからです。逆に体温を下げるのは苦手なので、暖めすぎは逆効果です。
そのため、空中サーモスタットを使って体温調整を助けてあげると、病気の痛みを緩和させたり、代謝を促進させ回復を促したりする効果があります。夏場は、温度が上がりすぎる可能性があるので、エアコンのクーラーで温度を下げつつ、巣箱の中の温度を体温付近になるように調整してあげましょう。
空中サーモスタットを使えば温度管理がしやすいですが、設定温度になったときに、電源を管理してくれるだけなので、ヒーターが必要がないくらい暖かくなったり、ヒーターでは間に合わないくらい寒くなったりすると意味がないので、使っているからといっても過信しないようにしましょう。
[ 用品検索 > 保温・冷却用品 > 爬虫類サーモ・空中サーモスタット ]
パネルヒーター
板状やシート状のヒーターが暖かくなる、省スペースで利用できる暖房器具です。
しかし、小動物用に売られているパネルヒーターは、ほとんどの製品が保温器具ではなく発熱装置で、そのままでは役に立ちません。
まず、安価な製品は温度管理ができず、ひたすら暖めているだけなので、暑い日は暑すぎ、寒い日はパワー不足で冷たくなり、寒暖差が激しくなり、体調を崩すきっかけを作ってしまいます。また、温度管理ができるとパッケージに書いてあっても、表面温度が30度以上になり、ハムスターには暑すぎる物も多いです。そもそも、温度管理機能しかない空中サーモスタットより安いヒーターでは、まともに温度管理なんてできるわけがないと考え、ヒーターを利用しているから安心だと過信するのはやめましょう。特に、病気の時は、苦痛を増やしたり、寿命を早めたりする可能性があるので要注意です。
パネルヒーターを選ぶときは、温度調整ができる物が必要ですが、実際には消費電力の調整だったり、センサーと暖めなければならない場所が遠かったりするので、ないよりはマシ程度です。また、ケージの中にパネルヒーターをセットする場合は、水洗いできる物を選びましょう。
それと気をつけなければならないのは、ヒーターの面積と消費電力の関係です。ハムスターの飼育方法では、巣箱の一部を暖めれば良いので、5〜10cm四方の広さのパネルヒーターがあれば十分で、それ以上大きくなるとケージ全体を暖めてしまいしまいます。ヒーターはセンサーのある位置(ケージ内の温度など)を測って、暖めているので、熱の逃げにくい巣箱だけが、極端に暑くなることがあります。そうなると、適温の場所がなくなるだけでなく、季節を意識できなくなるので、ハムスターの代謝機能がおかしくなることがあります。
ほとんどのパネルヒーターは、消費電力が高くなっても性能が上がらず、ヒーター部分が広くなるだけなので、寒い日ほど体調を崩しやすくなってしまいます。ケージの熱を逃がしにくくすると、その差は少なくなり、結果的に消費電力の大きい物は暖める力が強いですが、季節感がなくなってしまう根本的な問題はなくならないので、注意しましょう。
保温球
パネルヒーターがホットカーペットや床下暖房だとすると、保温球はこたつやストーブで、赤外線を使った太陽に近い仕組みの暖房器具です。
保温球は「ひよこ電球」とも言われ、パネルヒーターより古くからある暖房器具ですが、ケージに保温球を設置する広さが必要で、直接触ってしまうと火傷してしまうため、初心者には毛嫌いされがちです。しかし、きちんと飼えてると、広さも火傷の問題もなく、メリットが多い保温用品なので、保温に使うのならパネルヒーターより保温球の方が優れています。
特に病気のときは、ケージ全体を暖め、安静かつ、健康チェックが必要になるので、ハムスターには負担の少ない光で光る保温球を使うと、ハムスターには暗闇でもハムスターを確認でき、ハムスターへの負担も少なくなります。
保温球のメリットは、負担が少なく光る物や、部分的に暖められる物、200ワットを越える高出力な物など、種類が多くいろいろな状況に使えることです。しかし、保温球は電球の仲間で、保温球だけでは全く温度管理できないので、空中サーモスタットは必須だと考えましょう。また、保温球は、温度管理がシビアな、爬虫類用として売られていることが多く、紫外線を出す物があるので、間違っても選ばないようにしましょう。
ハムスターがどんな色が見えるのか、実際にはよく分からないのですが、夜用かセラミックヒーターを選び、保温球かスタンド(ソケット)にリフレクターが付いて、部分的に暖められる保温球を選びます。
消費電力は地域や時期によって違いますが、電源のON、OFFが多いとハムスターに負担になることがあるので、まずはあまり寒くない時期に、消費電力の小さい保温球を使い、足りないようなら消費電力の大きい物を買い足す方法が良いです。
また、距離を変えたり、2カ所から1カ所を暖めたり、ケージ2台を同時に暖めたりと、使い方次第なところもあるので、いろいろ考えてみるのもよいと思います。
取り外しできるリフレクターが付いているスタンドだと、部分的、全体的と暖め方を変えられるだけでなく、ハムスターが触って火傷したり、水に濡れたり傷つけて保温球が割れることも減らせるので便利です。