飼育用品を選ぶ前に(素材の違い・失敗しない選び方)
飼育用品の素材
ハムスターグッズの素材もいろいろあります。代表的な物に、木製の物、プラスチック製の物、陶器製の物、金属製の物、どれも特徴があります。
プラスチック製
- 長所
- 分解できる物が多く、洗いやすい。
- 短所
- 飲み込んでしまうと危険。傷が付き曇ってしまう。汚れが取れなくなる。
- 評価
- 飼い主には、一番扱いやすい素材です。安く、軽く、洗いやすいのでおすすめですが、長く使っていると透明度がなくなったり、汚れが取れなかったりします。プラスチック製のトイレに付いたカルシウムが取れないという話は、よくある話です。
ケージに関しても、プラスチック製の物は壊れることが前提になっていて、そのことを考え選ぶとすると、無駄遣いが減ります。
木製
- 長所
- 加工できる。
- 短所
- 洗えない。湿気を吸うので不衛生。
- 評価
- 「かじっても安心」と書いてあることがありますが、接着剤やクギは危険だし、ハムスターが噛むということは、使いにくいので自分で改造しようとしている証拠なので、悪い物だったりします。
木製品を洗うと、湿気を吸ってカビが生えたり、乾くときに割れたりするので、長く使うには不向きなので、無理にこだわる必要もないと思います。
陶器製
- 長所
- 重いので動かない。夏場は冷たい。長持ちする。洗いやすい。
- 短所
- 表面がざらざらの物は汚れがしみこむ。割れることがある。
- 評価
- 野生では石に近い物で、材質としては良いのですが、加工が難しく重いため、良い製品が発売されにくい、残念な素材です。
金属製
- 長所
- 重いので動かない。夏場は冷たい。長持ちする。洗いやすい。
- 短所
- 安物はさびる。
- 評価
- ステンレス製以外の物は、さびたり、体に悪かったりするので、ケージも含めて使わないようにしましょう。アルミ製品は安いですが、体に悪いので使わない方がいいです。
ガラス製
- 長所
- 重いので動かない。夏場は冷たい。長持ちする。汚れが目立つ。薬品にも強く洗いやすい。
- 短所
- 割れることがある。
- 評価
- ガラスだと汚れを残しにくいので、掃除の回数を減らしても、他の素材より衛生的に保つことが容易です。
総合評価
透明のプラスチックやガラスでも、ハムスターは壁や物など存在する物体として判断します。しかし、透明だと目からの情報でも判断するので、ハムスターが自分で外敵を監視でき、自分は壁で守られているため、より安心できる物になったり、敵から監視され自分は危ないなど、ハムスターがどう思うかは飼い主次第の素材です。特にガラスは、衛生的に保ちやすく臭いを遮断できるので、ハムスターにとってもメリットがあり、お互いに観察できるから安心といった、自然では作れない面白い状態も作れるのも、ペットを飼育する楽しみです。
新品は、離型剤や防腐剤、人の手垢や、陶器製の物や金属製の物には直接値札が付いていることがあります。そのまま使用していると、カビが生えたり、ハムスターが体調を崩すことがあるので、新品を買ったら、きれいに洗ってから使用することを忘れずに。
失敗しない選び方
自分ではいろいろ考えて、最良の飼育環境を作っているつもりでも、知っている人から見ると自己満足をしているだけで、ハムスターには良くない環境を作っていることがあります。トラブルの相談をしていても、問題意識の低さから次々と問題が見つかり、相談者が恥ずかしくなって引きこもったり、手が付けられなくなって、どうしようもない状態になることも多いです。
ペット用品は良い商品が少ないだけでなく、値段の高い物が結果的に安かったり、不合理に見えることが合理的だったりと、経験だけでも知識だけでも判断できない判断の難しい用品が多いので、初心者は上級者の真似をすることから始めましょう。そのことで、初期投資は高くなることが多いですが、長く使え、健康的で、楽しく、安くと良いことが増えます。
少しむずかしい話ですが、習性によって近いところはあっても、環境や性格によって違いが出ます。たとえば、トイレに太陽の光が当たると、ハムスターは夜行性で巣穴に住む生き物なので、そこが危険な場所だと思ってしまい、別の場所でオシッコをしたり、巣箱外が寒くて巣箱の中でオシッコをするなどの、同じレイアウトでも季節によって行動に変化が起こることがあります。
ハムスターは普段と違うことを特に嫌がる(臆病)動物なので、問題行動になっても、ガマンして使い続けることでも、ストレスや病気などの分かりにくい問題のきっかけを作ってしまいます。ハムスターは襲われることが多く、頭の良い動物なので、人間よりストレスの影響を受けやすい動物ということも忘れずに。
そのため、巣箱が固定されていて温度調整ができない、狭くて回し車を移動できない、給水器の高さを変えられないなど、季節や性格によって環境が変えられない飼育用品は使わないようにしましょう。ハムスターのためを思って考えたレイアウトが、飼育用品に合わせるためのレイアウトになってしまい、ハムスターに負担をかけ続けることになってしまいます。
特に初心者は、自宅とハムスターに合った飼育環境を1回で作れないだけでなく、ハムスターの生態にあっていない商品が多いので、それっぽい物を購入してケージに置けばよいという、簡単なことではないことを理解する必要があります。その反対に、レイアウトを変えてしまうことは、なわばりを荒らしたことになることなるので、頻繁にレイアウトを変えたり掃除をしてニオイを取ったりしないようにしましょう。