ハムスターの選び方・迎える時の注意
健康で懐きやすいハムスターや、賢くてトラブルを起こしにくいハムスターの見分け方を、ペットショップの環境も考慮して選ぶ方法です。
ペットショップで購入する場合も、里子に迎える場合も、以前にも誰かに飼われていたと考えましょう。そのため、性格や体質だけでなく、迎えた季節や以前の飼育環境によって、飼い方が変わってきます。
特に迎えたばかりの小さいハムスターは、成長にエネルギーを大量に使う時期なので、いくら健康な個体を選んでも、飼い方を間違えると体の弱い大人に育ってしまいます。
ハムスターを売っているペットショップを探す
ハムスターを売っているペットショップは、iタウンページから「ペットショップ」で検索すれば簡単に探せます。ハムスターは小鳥と同じエキゾチックペットなので、小鳥と書いてあれば売っています。
飼い主が購入するまでに、繁殖業者、納入業者、ペットショップが携わっているため、目で見て分かるくらい体調の悪いハムスターを売っている可能性はかなり低いです。購入時に簡単な健康チェックや説明もしてくれます。
初心者はまず、ペットショップから迎えることをお薦めします。
ペットショップで購入する
昔と違ってノーマルカラーの個体が減ってしまい、私はペット専門店で注文することが増えましたね。
いつも行っても清潔か、何時に世話をするかなどを知っておくために、ペットショップの下見に行くこともオススメします。
特に買いたいハムスターを決めていない場合は、次の入荷予定を聞いて帰り、入荷した頃にまた下見に行きましょう。
買いに行く時間
ハムスターは夜行性で夕方以降に行動し始めるため、夕方以降に何店かペットショップを下見に行きましょう。
ペットショップでは日中に世話をすることが多いため、昼でも起きている個体がいたり、騒がしくて起きてくる個体もいますが、活発な姿ではありません。どうしても起きている姿を確認したい場合は、ペットショップの人に起こしてもらいましょう。
寝ぼけている姿でも性格や体質をある程度判断できる、ハムスターに飼い慣れている人と一緒に買いに行くのが無難です。
目的のハムスターが売っていない(注文する)
ペットショップにいない種類や毛色のハムスターも、ペットショップで注文することができます。
チェーン店なら他店の在庫リスト、納入業者の在庫リストを、すぐに確認できるペットショップもあります。
納入業者に注文する必要がある場合は、数匹まとめて仕入れるため、ハムスターの取り扱いが少ないペットショップだと嫌がられるかもしれません。回転率が高い店だと、仕入れのついで程度に注文を受け付けてくれますが、急がせないことと、あらかじめ予算の話はしておきましょう。
特に毛色を細かく指定すると、毛色の似た個体を数匹仕入れる必要があるため、迷惑にならないように印刷した写真を持って行きましょう。写真の裏に詳しい情報と自分の連絡先を書いておくと確実です。
また、注文した個体は店頭に展示できないため、入荷したと連絡があったらすぐに確認しに行きましょう。下のコラムの「すぐに連れて帰れない」ときと同じ問題が起こります。
すぐに連れて帰れない(取り置きする)
たまたまペットショップに行ったら、目当てのハムスターがいたなど、すぐに連れて帰れない場合は、お金を払って取り置きしてもらいましょう。
犬くらい大きく高いペットならケージに「売約済み」のポップを貼って、他の個体と同じように扱ってくれますが、ハムスターの場合は、予備のケージがないため取り置きできない、エアコンのないバックヤード(売り場ではない場所)で保管される、まだ小さいのにプラケに入れられ一人ぼっちなど、ペットショップの事情で環境が変わらないか聞いておくとトラブルが少ないです。
個人で繁殖させたハムスターを譲ってもらう(里子を迎える)
里子に迎える最大のメリットは、体も心も十分に育った個体を譲ってもらえることを忘れないように。幼い個体にこだわらないこと。
良識のある飼い主から繁殖させたハムスターをもらうと、正確な生年月日も分かるし、人間を恐がらず、遺伝性の病気も分かるなど、ペットショップで迎えるよりメリットが多いです。
しかし飼い方の差が大きく、過密飼育や無計画な繁殖が原因で問題がある個体もいます。
個人からハムスターを迎えると、ペットショップから迎えるより飼育環境を似せやすいため、トイレを覚えないなど飼い始めのトラブルも減らせます。しかし知らない人から譲り受けると、本当のことを言っているか分からないですし、都合の良いところしか見せてくれないかもしれません。
インターネットで探す方法が簡単ですが、まずは周りの人にハムスターを飼っていないか聞いてみましょう。ハムスターは犬のように家の外で散歩をさせないので、飼っていることを知らないだけで、近くに飼っている人かもしれません。
普段は繁殖をさせていない人でも、もらってくれる保証があるのなら、繁殖させてくれる可能性もあります。
ペットショップで迎えた個体と違い、確実に兄弟なので2匹以上もらわないようにしましょう。ハムスターは単独生活する動物なので、小さい頃は仲が良くても、仲が悪くなったり、繁殖にも向きません。
『ハムエッグ』でも [ 里親・里子・お見合い ] で探すことができます。
購入前の個体の健康チェック
購入前にはペットショップの人と一緒に、健康状態をチェックをします。
よほど体調が悪くない限り、初心者では判断できないため、ハムスターを飼い慣れた人と一緒に選んだり、何日もかけて行動をチェックしましょう。
お尻が濡れていない
軽いとこんなに汚れません。
下痢をしていないかの、大切なチェックです。
普通のハムスターは腹側の毛の色が白いので、お尻だけでなくお腹の体毛もオシッコやウンチで染まっていないかチェックします。
下痢の原因が、エサや細菌、寄生虫の場合は、ペットショップの全てハムスターが体調を崩している可能性もあります。
毛並みや毛づやがよい
個体差があり、栄養状態によっても変わります。
脱毛がないか、冬毛と夏毛が混じっていないかもチェックしましょう。同じ毛色の他の個体と比較すると分かることがありますが、同じ環境で飼われているためあまり参考になりません。
ストレスが原因ではげている個体なら、家に連れて帰るとすぐに治ることもあります。逆も気をつけましょう。
目がしっかり開いている
弱っていると、眠そうな目になるのはハムスターも人間も同じで、初心者にも分かりやすいです。しかし単に眠たいときもあるので、時間にも気をつけましょう。
目やにが付いていたり、涙目になっていると、かなり弱っています。
耳がしおれていないか
ゴールデンハムスターとロボロフスキーハムスターは、弱っていたり眠たいと耳が倒れたままになります。
どのハムスターも、寝ている時や恐がっているときは耳を倒します。
ゴールデンハムスターは弱ると耳がしおれて見えることがあります。
ケガをしていないか
切れた耳は元に戻りませんが、やんちゃな方が飼っていて楽しいです。
耳が欠けていたり、指が足りないなどですが、入荷時にペットショップと納入業者でチェックするため、奇形ではなくペットショップでケガをした可能性が高いです。
ケンカやケガをする個体は考えや行動が分かりやすいため、私的にはオススメです。
ロボロフスキーハムスターは特に耳が薄いため、毛繕いで耳が切れることがありますが、普通は耳が切れるほど強く毛繕いしないため、ストレスや痒み原因がないか確認しましょう。
歯が正常に生えている
ペットショップの飼育環境で歯が折れる可能性は低く、無理に確認すると嫌われてしまうため、確認できるのなら確認した方が良い程度です。初対面で嫌われると、後々困りますしね。
囓り木や回し車など、エサ以外の物をケージに入れていたり、金網タイプのケージで飼われていると、歯が折れる可能性が高くなるためチェックした方が良いです。
生まれつき歯並びの悪い個体もいますが、ハムスターは歯を動かせるため、一生気づかないこともあります。
しっかり歩いたり走ったりできる
まず、展示用のケージの中で、ハムスターの行動をじっくり確認しましょう。
店員さんを呼んでチェックしてもらうときに、走って逃げたり、手の中で暴れたりすると思うので、力強く動いているか確認しましょう。
太りすぎ、やせすぎではないか
座り方やほお袋で、太ったりやせたり見える動物なので、少し見ただけで体型を判断することは難しいです。体の小さい個体(幼いという意味ではない)を選びがちですが、体の大きい個体の方が体も胃腸も強いです。
この場合も他の個体を比較した方が分かりやすいです。
家に連れて帰ると、栄養状態やストレスが解消され、急に大きくなる個体もいます。
体が曲がって見える
頭は必ず地面に対して平行に向こうとするため、背中の線がないと体が歪んでいても分かりづらいです。
首をかしげている、背中の模様が真っ直ぐではないなど。ペットショップでもチェック漏れしやすいです。
ゴールデンとロボロフスキー以外のハムスターは本来背中に真っ直ぐな模様があるため、横から見て背中の模様がずれていないか確認します。カラーハムスターだと一生気づけないこともあります。
よく物を落とす、他の個体にエサを奪われやすい、真っ直ぐ走れない・歩かない、回し車を走ってもすぐに止まるなど、飼ってから気づくこともあります。
生まれつき首が歪んでいる斜頸、飼育用品が小さいこと起こる背骨の彎曲など、神経を圧迫し半身不随になったりします。かなり危険です。
良いペットショップの探し方
売っている商品を見る
左の個体は台詞を入れているので呼ばれているように見えますが、上が気になっているだけです。右の個体は起こされて不機嫌なのが分かりやすいです。右の個体の方が飼いやすいということになります。
節操がない店には近づかないこと。
売っているエサや飼育用品で、ペットショップがどんな業者と取引しているのかが分かります。ハムスターなどの小動物の場合は、犬や猫に比べ陳列している商品が少ないこともあり、ペットショップや担当者の営業方針が分かりやすいです。
量販店向けの悪い商品を扱っている業者は、扱っている生体の管理も悪く、弱いペットが多いということを、ペット業者の人から聞いたことがあります。取引のある繁殖業者(ブリーダー)の飼育環境や与えるエサ、繁殖方法などが悪いのが原因です。
良い商品や高い商品を売るほどノウハウがないペットショップは、かわいらしいパッケージや、無意味な効果がある商品など、業者に言われるがまま利益率の高い物や個体ばかり売っていることが多いです。ハムエッグに上級者がお薦めする飼育用品を紹介したページがあるので、ペットショップと比較してみてください。酷いと、1つも置いていないペットショップがあります。
[ 用品検索 > エサ(食べ物) > ハムスター用ペレット ]
[ 用品検索 > 飼育用品 > 敷材・床材・巣材 ]
[ 用品検索 > ケージ > 爬虫類用のケージ ]
リードや首輪、ハムスターボールを売っていたり、綿やペーパーチップ、囓り木を勧めてくる店もダメです。綿は飼い主が欲しがるので、仕方なく置いている店もあります。
他には商品に、賞味期限切れ、商品が日焼けしている、ホコリを付いてないかかもチェックしましょう。古くなって色あせすることが悪いのではなく、日焼けするような場所に置いていることが悪いです。商品が汚れていると、細菌や寄生虫が付いている可能性もあります。
動物病院が併設されている
重要ではありません。ハムスターはまず診てもらえません。
獣医師でしか扱えない商品をペットショップで取り扱うために併設されているだけで、いつ見ても誰もいない病院もあります。
資格だけ持っているだけの現場を知らない自称専門家がいるから、逆に危ない程度に思ってた方が良いです。
動物病院を紹介してくれる
まともなペットショップなら、ハムスターなどの小動物を専門的に診てくれる病院を紹介してくれます。
飼い主からの相談の多いペットショップなら、壁に動物病院の地図や電話番号を書いた紙が貼ってあったりします。ペットショップで体調を崩すペットが必ずいるので、まともなペットショップなら紹介できるはずです。
ペットフードなどを、動物病院へ卸しているペットショップもあり、得意先の病院を紹介される可能性もあるため注意しましょう。
目で見て分かるくらい体調の悪い個体は、ペットショップには入荷せず、ペットショップで見つかっても納入業者に返品されることもあり、ペットショップの店員に正しい医療知識があるとは限らないため、病気については動物病院で聞きましょう。あくまでも病院を教えてもらうだけです。
ペットショップの店員で判断する
ペットショップの人でもハムスターをさわる場合、手袋をする人がいます。ハムスターの扱いに、なれていない証拠です。ハムスターのことをよく知っている店員なら、そもそも噛まれませんし、噛まれても、ウンチやオシッコをされても、笑ってガマンできるはずです。
時々ペットショップに行って、店員や担当者がコロコロ変わっていないかも確認しましょう。
取引業者の数で判断する
生体を扱っている取引業者の数でも判断できます。
多くの業者と取引があるということは、ハムスターの販売実績が多いということなので、個体の健康チェックも多くしているはずです。私の場合は、「ロボロフスキーハムスターのメスをまとめて欲しい」とか、「ゴールデンハムスターの野生色が欲しい」とか聞くことがあり、ハムスター本来の毛色を理解できているか、業者の在庫リストをペットショップで持っているか、電話ですぐに確認できるかどうかを基準に判断しています。
ノーマルの毛色の個体・ロボロフスキーを売っていない
飼っている個体や飼育環境で、ハムスターが好きなのか、ハムスターを飼っている自分が好きなのかも、分かってしまいます。
売れやすいハムスターしか置いていないペットショップは、店員のレベルだけでなく、買いに来る客や商品にも期待できないです。そんな店は専門店ではなく量販店と言おう。
できればチャイニーズハムスターを売っている店が好ましいです。
ほお袋にエサを溜めている個体がいる
エサを運んで持って行くことは本能ですが、ほお袋にエサを入れっぱなしにことは普通ではありません。
与えているエサや栄養が足りない、他の個体や人間に盗られると思っています。成長不良だけでなく、必要以上にエサを溜めたり、脱走してエサをあっちこっちに隠すかもしれません。
エサを奪ったり独り占めしている個体が、いないかもチェックします。
小動物の担当者がずっといる
小動物の担当者がいて、カウンターに座っていたり、見回っている店は、ケンカをしていないか観察していることが多く、個体ごとの性格を知っていることもあります。
店員を探したり呼びに行く必要のある店は、そもそも小動物に詳しいかもわかりません。
エサにペレットを与えている
ペレットもいろいろありますが、適度な硬さのペレットをエサとして与えているペットショップや飼い主なら、先天的な歯のトラブルを抱えている可能性が低いです。
初心者にありがちな、ペレットを食べてくれないトラブルも減ります。
注意が必要なペットショップ
回し車がトイレと寝床になってしまい、毛並みが悪くなっているチャイニーズハムスターです。巣箱でぐっすり眠れない環境が問題。
ペットショップは、以前の飼い主ということを忘れないようにしましょう。
立地や間取り、店員の接し方で悪い影響が出ることもあります。
併設されたペットショップ
ホームセンターやデパートに併設されたペットショップでは、人の多さや、客にイタズラされたことが原因で、トラウマを持っていることがあります。何を怖がっているのか分からない場合は行動が予想できず、簡単に解決できないこともあります。
しかし、安全で快適な飼育環境を与えてあげると、以前が悪い環境だったので、すんなり新しい環境や飼い主に慣れてくれることもあります。
逆にペットショップの方が良かったと思っているのなら、自宅の環境から脱走しようとします。初心者にありがちです。
ペットショップのクサイ
ハムスターはペットの中でも特にきれい好きで、ハムスターが原因でペットショップが臭うことはありません。臭う場合は、衛生状態に問題があります。
ペットショップでは毎日掃除をしますが、個人で飼っていると、臭い付けした臭いを取ってしまったり、ストレスにならないように、トイレですら毎日掃除しません。それくらい臭いの少ない動物です。
夜のうちにオシッコやウンチでケージが汚れてしまうため、夜に換気やエアコンを止めているペットショップでは、午前中に少し臭うこともあります。その場合も他の動物が原因になっていることが多いです。
小動物用のコーナーがない
ハムスターは温度変化や日の光に弱く、すぐに熱中症や低体温症になるため、ペットショップの店内にある別室に展示されていることが多いです。別室がないペットショップでも、万引き防止のため、店の入り口から一番遠いところで展示していることが普通です。
犬や猫、フェレットもハムスターには天敵になるため、肉食動物とのケージの距離もチェックします。
客から見えやすい場所に置いている場合は客引きで、人間だけでなく日光や風、温度もストレスになっていることがあります。かなりストレスを溜めているはず。ショッピングモールなど、都心部のペットショップに多いです。
仰向けで寝ている個体がいる
ハムスターが暑がっている証拠です。
臆病な動物なので、親離れした個体は度を越して暑くならないと仰向けで寝ません。かなり劣悪なペットショップだと思います。
逆に寒すぎて集まって寝ている場合も注意しましょう。
ペットショップで懐かせている
かなり迷惑な行為です。
ペットショップの店員が餌付けしていた場合、購入した日から手乗りにできるくらい、人間を恐がらないことがあります。しかし、ほとんどが甘やかしすぎで、偏食したり人を噛むなどのトラブルを起こしたり、正しく飼おうとすると以前の環境に戻りたがって、ケージを噛んで脱走しようとしたりします。里子に迎えた個体も同じです。
そもそも信頼や絆は、そんなに短期間で得られることでは無いです。
元々人に懐きにくいロボロフスキーなら、あまり問題にはなりません。ジャンガリアンは人の手とケージを噛みやすく、ゴールデンハムスターはケージを噛みやすくなります。
人間が世話をすることが当たり前だと思っていて、誰がケージに手を入れても動じず、その場で観察するくらい心に余裕がある個体が良いです。
猛禽類や珍しい動物を売っている
小動物だけでなく、は虫類や昆虫も怖がるので、普通は猛禽類は店頭販売しません。
飼い方が分からないような珍しい動物や、生体を売っているのに専用フードが売っていない、無責任なペットショップかもチェックします。
は虫類や昆虫を売っている・育てている
は虫類や昆虫は熱帯の生き物が多く、ハムスターと相性が悪いため、普通は離して展示します。しかし、夏になるとペットが売れず、カブトムシが売れ筋になるため、小動物コーナー近くまで広がるペットショップもあります。
昆虫の死骸や水が腐った臭いがしたり、普通は混入しない昆虫や細菌が原因で、下痢や脱毛などの病気になることもあります。感染症の原因になる細菌に感染しても、発症を防げることもありますが、すでに自宅で飼っている個体に感染すると、保証などいろいろやっかいです。
エサ代の節約ために、バックヤードでミルワームやコオロギなどの昆虫を繁殖させているペットショップは、かなり臭うことがあるため、特に注意しましょう。
用心するなら、は虫類や昆虫を扱っているペットショップは避けましょう。
購入できないエサやウッドチップを使っている
初心者にはかなり難しいと思います。与えているエサを見てどの商品か分かるくらいの知識が必要ですし、日によって与えているエサや飼育している店員が違うこともあります。どのエサを与えているか聞くのが無難です。
ペットショップでの飼育に、市販品ではなく業務用のエサや床材を使っている場合、エサを食べてくれない、トイレを覚えてくれないなどのトラブルの原因になることもあるので注意しましょう。
迎えた後に注意が必要なハムスター
冬に迎えると一気に換毛し毛並みがボサボサになります。健康な証です。残念ながらほ乳類の子供は「幼生」とは言わないです。
春に迎えた方が良い理由と、1ヶ月くらいは最低限の世話だけにする理由の1つです。
購入したばかりの個体はペットショップの環境に適した体質になっているため、購入後は飼い主が調整期間を作る必要があります。
ブリーダーとペットショップ間でも環境が違うため、入荷したばかりの個体を購入すれば良いということでもありません。里子に迎える場合は、エアコンを使って飼育していたのか聞いた方が良いです。
熱帯の生き物と一緒に飼われている
動物によって適切な温度が違うため、夏は熱帯の鳥だけエアコンの風が当たらないようにカバーを被せていたり、冬は別室にストーブが置いてあったりと、店によって工夫も様々です。
ハムスターなどの内温動物より、外温動物の昆虫やは虫類の方が温度に敏感で、同じ部屋で飼われている場合は、ハムスターには暑すぎます。適温が10℃近く違うため、季節に合わせた換毛ができていない可能性があります。
営業時間の問題
ハムスターは日照時間がきっかけで換毛することがあります。
しかしペットショップでは営業時間が変わらないため、夏でも冬でも日照時間が同じです。たとえば日の出がAM6時、日の入りがPM6時で、ペットショップの営業時間がAM9〜PM9時だとすると、体内時計が3時間ずれてしまいます。
自宅に連れて帰ると、春の次に冬が来たり、暖房で急に夏になることもあり、体が上手く対応できず体調を崩すことがあります。
店の出入り口や窓近くに展示していると体内時計はずれにくいですが、熱中症で弱っている可能性があります。
エアコンの吹き出し口に近い
棚の高い所で展示されていると、エアコンの風に直接当たっていることがあり、温度だけでなく風の影響を受けていることがあります。
ケンカやケガをしたなど、プラケに入れられ隔離されている個体は、本来の飼育スペースで飼われておらず、他の個体と一緒に寝られないため、さらに温度の影響を受けやすいです。
どうやって換毛しているか見極めるの
腰の周りだけ換毛している、正常な体毛のジャンガリアンハムスターの子供。
まずは、他のケージで飼われている個体と見比べてみましょう。
換毛する場合は腰の辺りから始まるため、まずは腰の毛を見ます。そして、体毛(上毛)にムラがあるか、冬毛(下毛)の量、掴むと体毛に手の跡が付く、ウッドチップや汚れがくっつきやすい、等で判断します。しかしハムスター本来の容姿に詳しくないと難しいと思うため、まずはペットショップの環境で判断しましょう。
ノーマル(野生色)以外の毛色のハムスターやロングヘアだと、季節に合わせて換毛できない個体もいるため、私も正確に判断できません。
温度が快適でないと、ペットショップで観察しているわずかな時間でも、ちょこちょこ起きて寝床を移動したり巣作りをします。
体質の戻し方
ハムスターがトンネルを自作できる環境だと、温度管理を自分でできるためさらに安心です。
ペットショップと自宅の環境を近づけ、徐々に本来の温度に戻します。
温度の調整以外は、上級者なら普段からやっていることなので、難しくないと思います。
下痢やアレルギーなどの免疫が関係する病気の多い飼い主は、ストレス以外にも以下の様な配慮が普段から足りていないことが原因かもしれません。
- 自然の光が部屋に入るようにする。直射日光厳禁。
- 夜は暗くする。飼い主が夜更かししない。
- 巣箱でゆっくり眠れるよう、騒がしくしない、覗き込まないなど。気になっても我慢しましょう。
- エアコンやサーモスタットなどを利用し、徐々に本来の気温に戻す。
- ハムスター自身で温度調整できるように、床材はたっぷり入れる。
健康な個体なら2週間くらいで換毛が終わります。
成長期で体力が必要な時に、ブリーダー→ペットショップ→飼い主と環境が変化し換毛までさせてしまうと、さらに消耗してしまい、成長不良で弱い個体になる可能性もあるため、1ヶ月くらいはかかるつもりで環境に慣れてもらいましょう。
特に換毛や成長にはタンパク質が必要になるため、ミルワームを与えましょう。懐きやすくなるため、飼い主のメリットも大きいです。
迎える・購入時に注意すること
私が大人買いしたときに、ペットショップの店員さんが即席で作ったケージです。何が入っているのかチェックしてください。
ペットショップだけでなく里子に迎える時にも注意しましょう。
ハムスターは、人が多い、うるさい、揺れるなど、予想できない現象や行動を恐がります。第一印象が悪くなるだけでなく、トラウマにもなります。
大人数で行かない
ハムスターをチェックするときに、噛まないですよと言いながら、噛まれるペットショップの店員をたまに見ます。
店員さんだけなら本当に噛まれないんだと思いますが、いつもと違う時間に知らない人(新しい飼い主)が近くで見ているので、何をされるか理解できずにパニックになっていることが原因だと思います。ハムスターに限らず、オシッコやウンチをちびる個体もいます。
初心者なら上級者と買いに行った方が良いですが、最低限の人数で買いに行った方がストレスは少ないです。
家族でゾロゾロはペットショップでもよく見る光景ですが、詳しくない人がたくさんいても役に立たないどころか、心が揺らぎ間違った判断をしてしまいます。そもそも購入時に、他人に意見を聞く必要がある程度の知識しかないのなら、ペットは飼えませんよ。
帰りは、まっすぐ帰る
行きは飼い主だけの問題なので、どんな方法でペットショップに行っても良いと思いますが、ハムスターを購入したら、できるだけ負担の少ない方法で連れて帰りましょう。
自家用車であっても自分で運転せずに、足下にケージを置き、ハムスターを入れた容器(ケージ)が倒れたりしないように見守りましょう。膝の上やシートの上はダメです。ケージを段ボール箱に入れて、振動や転倒対策しても良いです。
また、車のエアコンが直撃しないかを確認し、エアコンの吹き出し口付近にしか置けないのなら、巣箱を用意したり、風が強くならないように、あらかじめ車内を適温にしておきます。
いろいろ考えると、タクシーがベストです。
ケージや飼育環境をあらかじめ用意しておく
突然エアコンの効いたペットショップから移動させるため、自宅もエアコンを利用しペットショップに近い温度にしておきます。当然、ケージに巣箱やトイレなどの飼育用品、できればエサも入れておき、購入した日はハムスターの移動だけにしましょう。
一度にたくさんの個体を買わない
ハムスターは単独飼育が基本です。
ハムスターは、ペットショップに行けばいつでも売っているので、慌てて買う必要はありません。2匹目は飼い方が上手になってから買いましょう。
キャリーケージを持参する
キャリーケージに、新聞紙や空き箱で作った巣箱を入れて持って行き、ペットショップでは与えていたエサや、オシッコの臭いの付いたウッドチップなども入れてもらいましょう。
ハムスターと一緒にケージを購入する場合はケージを利用しても良いですが、移動用に作られていないため、ケージだけを利用しましょう。
掃除前なら、展示用のケージに入れていたウッドチップを、たくさんもらえることもあります。
初心者は避けた方が良い個体の性格と行動
ペットショップで見た行動だけで、性格や体質を判断するのは難しいですが、いくつかポイントがあります。
あえてトラブルを起こしそうな個体を選んで、上手くならせるようになると、予想外の行動も楽しくなります。
幼い・若すぎる個体
人間の行動に関心のある犬でも、小さい頃に親から離されると社会性を学べないらしいです。
ほとんどのほ乳類は、親の行動を観察し、兄弟とケンカをすることで、社会性を学びます。早く親から離されすぎたハムスターは、うまく学習できていない場合があります。
たとえば、兄弟や親を噛んだり噛まれたりして、噛むと噛み返される、強く噛むと相手がケガをするといったことを覚えます。これらを、人間が教えることは難しいです。
ハムスターに限らず、小さい方が売れやすいので、生後3週間ぐらいで親から離されますが、性成熟が始まる6週間くらいまで、親や兄弟と一緒に過ごさせた方が利口です。人間だと歩けるようになったばかりの子供と、中学生くらいの差はあると思います。
また性成熟の始まる反抗期は、親離れする為の時期なので、親と離すにも理想的な時期です。里子に迎える場合は時期を選びやすいため、6週間以上のハムスターを譲ってもらいましょう。
容姿や行動に特徴がある
緊張して耳を立たせているため、余計に耳が目立ちますよね。音に敏感な理由があるはず。
他の個体と違う所があれば、そこが異常なのかもしれません。
たとえば耳に特徴があるから「ミミ」と名付けた個体は、耳の奇形で病気になりやすいといった話は、獣医師からも聞いたことがあります。
美味しそうにエサを食べていると思ったら、歯やお腹が悪くて急いで食べられないなど、行動の違いも甘く見ない方がいいです。
また他の動物から見て、区別しやすいと天敵に狙われやすいので、仲間はずれにされたり、虐められたりするのは、人間も同じです。どうしても孤立してしまうため、社会性が欠けていたり、飼い主では解決できないトラウマがある可能性があります。
一ヶ所にまとまって寝ている
小さいハムスターは体温調整が上手にできないため全種類、ケージの中が寒い、安心できる場所がそこしかない場合に、一ヶ所にまとまって寝ます。ロボロフスキー以外は大きくなると、縄張り意識が出てくるので、普通はバラバラに寝るようになります。
縄張り意識がハッキリしている個体は、飼い主との境界線もハッキリしていて、しっかり飼えているとトラブルが少ないです。
積極的に1匹で寝ようとしている個体に、寄り添って寝ようとする個体は、縄張り意識か体が弱い可能性があります。ハムスター同士でも、他の個体にべたべたする個体は、嫌われたり虐められやすいため、問題も起こしやすいです。
見ている・手を入れると近づいてくる
ハムスターは用がないと人間に近づこうとしません。近づく理由のほとんどがエサです。
ペットショップでも世話の時間や世話をする人を覚えていて、店員さんに気づくとワラワラと集まってきたりします。
自分が近づいて、逃げたり、毛繕いしたり、威嚇する場合は嫌われているため、他の個体を選んだ方が良いです。誰でも近づいて来る場合は、人間を区別できない、栄養が足りない、脱走に利用しようとしているなど、飼ってから予想できない行動をする可能性があるため、初心者は避けた方が無難です。
極端におとなしい個体
元気な個体を掴むと、暴れたり、何をされるのか心配になりキョロキョロしたりとよく動きます。特にお尻のチェックの時に裏返されると、必至で逃げようとします。
おとなしい個体かと思ったら、恐がってフリーズしただけ、その原因が病気で弱っているといこともあります。
また、流れに巻かれるタイプ個体は、目立つトラブルを起こしにくいけど、飼い主がトラブルを見落としやすいため、病気の発見が遅れたり、飼い方も上手になりません。
どの種類のハムスターが良いの
「キンクマハムスター」など種類が分かりにくい表示をしているペットショップもありますが、ペットとして購入できるハムスターは、ゴールデンハムスター、ジャンガリアンハムスター、キャンベルハムスター、ロボロフスキーハムスター、チャイニーズハムスターの5種類だけです。
体の大きさだけでなく、「ハムスターの種類」によって好きなエサや行動や飼いやすさも違います。詳しい違いは「種類ごと飼いやすさ・行動の違い」書いてあります。
ゴールデンハムスター
日本で飼えるハムスターの中では一番体が大きく、頭の良さとハムスターらしい行動が特徴です。上級者オススメのハムスターの魅力が詰まったハムスターです。
縄張りに関する本能が強いため、無茶な飼い方をしなければトイレなどしつけが簡単です。大きいケージと散歩が必要になるため、住宅事情によっては飼いづらいかもしれません。
ジャンガリアンハムスター・キャンベルハムスター
おとなしい個体や人を噛む個体など、性格の差が大きいため、選び方が難しいかもしれません。
食べ物に執着しやすいため、偏食しやすく、それでいてオヤツさえ与えていれば懐いているように見えるため、最初のハムスターに選ぶとトラブルや病気に気づきにくいです。
トイレなどのしつけはゴールデンハムスターほど簡単ではないですが、飼いやすいハムスターです。
ロボロフスキーハムスター
集団飼育もできる、一番体の小さなハムスターです。
本能に忠実に行動するため、懐きにくく、とっさに走って逃げてしまいますが、その反面ストレスを溜めにくいのも特徴です。
ハムスターの中では肉食性が強いため、ミルワームを与えているのなら懐きやすくなります。
巣作りが上手で寒さにも少し強いため、他のハムスターが巣箱に籠もりがちな冬でも元気よく回し車を走ります。観察や解析するのが好きな、理系な飼い主には楽しいハムスターです。
チャイニーズハムスター
一番おとなしく、よく懐くハムスターです。
体長とシッポが少し長く、見た目が少しネズミっぽいためか、初心者にハムスターとして見てもらえないためか、人気がありません。
取り寄せなら間違いなく手に入りますが、展示しているペットショップが少ないのが難点です。
オスかメスか
体毛の長い右の個体は比べても難しいと思います。
ハムスターは群れを作らず、発情期もおとなしいので、オスとメスの差は犬や猫よりさらに少ないです。
ペットとして飼っていると、エサを探したり巣を守るなどの重要な仕事を飼い主が補ってしまいます。さらに飼い慣れている人なら、ケージも汚れずイライラすることもないため、オスとメスの行動の差がほとんど分かりません。
繁殖する気がないのなら、性別関係なしに気にいった個体を飼えばいいと思います。
オスとメスの性格
当然ですが性格の差はそれぞれあるので、一概にはいえませんが、生き物が持っている、オスとメスの本来の役割を果たすために、男の子と女の子の性格があるわけで、偏見で言っているわけではありませんので……
一般的に、オスは縄張り意識が強いので、ケンカっ早く、好奇心旺盛で、ストレスに弱いです。メスは環境への順応性が高くいので人になれやすく、病気やストレスなどに強く、食い意地がはっています。オスが環境を作り、メスが利用する感じですね。
ハムスターの種類によっても違うようですが、メスの方が早くなつき、オスの方が性格は安定しています。トラブルを起こすのは、メスの方が多いようです。発情期の関係で、メスの体質や気分が変化することが原因かもしれません。
オスの方が臭腺が発達しメスより強い臭いを出すため、驚いたり不快なことがあると臭いで気づきやすいです。
オスとメスの病気
オスにはメスより発達した臭腺があり、メスに子宮があります。
ハムスターは地面を這うように歩き、臭い付けのため体をあっちこっちに擦りつけるため、不潔なケージや部屋で飼われていると、オスもメスも病気を発症させやすいです。
体毛の汚れや取れやすいウッドチップを使ったり、掃除の回数を調節すれば、完全ではないものの防げるため、上級者ならオスでもメスでも気にならない話です。
オスメス特有の病気は、「病気データベース > オスメス特有の症状」にあります。
オスとメスを間違えられた
入荷時に納入業者とペットショップの店員で、オスとメスの確認します。飼育書の写真を見ながら確認する店員さんもいます。
購入時は、ペットショップの店員と飼い主で、さらに確認するわけですが、それでも時々間違えていて、オスだと思ったらメスだった、メスをまとめて買ったのに、1匹だけオスだったということもあります。
無茶な繁殖や多頭飼いをせず、オスとメスを間違えられても笑い話で終わるような飼い方を目指しましょう。
初心者にお薦めの毛色
生き物の特徴がないというのは短所もないということ。
「安くて健康」。健康食品なら飛びつきそうな言葉ですが、生き物に詳しくない人には、リスクの高い毛変わり種が人気なんですよね。
まずは、ノーマルカラー(野生色)の個体をオススメします。
換毛とは、体毛が季節合わせて生え替わることで、夏用の体質、冬用の体質にも切り替わります。しかし、野生色やノーマルと言われる毛色以外のハムスターは、上手く換毛できず、体毛を着替えられない個体もいます。
たとえばジャンガリアンハムスターのパールホワイトは、夏でも冬毛のまま変わらなくなった奇形です。冬を乗り越えるため省エネ体質になっているため、妊娠しづらい、生まれる子供が少ない、奇形の子供が生まれやすい、肥満になりやすいなどなど、正常な毛色の個体にないトラブルを抱えています。
季節に合わない体質をしているため自律神経もおかしく、常にストレスや体調不良があり、怒りやすい怖がりやすいなど、その種類のハムスターにとって正常な行動なのか、性格的な問題なのか初心者には分かりづらく、体質や性格をカバーできる飼い方も難しいと思います。
イエローなどの毛色の薄い個体も、同じだと考えましょう。
無茶なカラーブリードが原因で、昔と違ってノーマルカラーでも純粋な毛色のハムスターが減り、ハムスター本来の行動や性格を知っている人も減っているため、相談しても正確な判断ができる人も減っていると思います。
キャンベルハムスターが、噛みやすい、おとなしいなど、飼い主によって評価が分かれることも、カラーブリードのターゲットになってしまったことが原因だと思います。さらにジャンガリアンハムスターとのハイブリッドの問題もあり、上級者が初心者にジャンガリアンハムスターを薦めたくない理由にもなっています。
ペットショップの環境やエアコンについて、このページにもいろいろ書いていますが、正常に換毛できるかどうかの判断にも使えるため、ペットショップや前の飼い主の環境を知っておくことも大切です。
管理者オススメは?
一人ぼっちでプラケに入れられていた個体です。この子はオヤツがもらえると分かると、うれしすぎて犬のように震え待ちます。1歳を過ぎて目で見て分かるくらい震えなくなりましたが、手の上に乗せると震えているのが分かります。小さいときの経験が、大人になっても残るんですよね。
管理者オススメは、プラケで1匹だけで買われている個体です。
ケンカをして、ケージを分けられている個体は気が強いため、何を考えているのか分かりやすいです。
売れ残った個体は、成長し体が出来上がっているため温度変化に強く、1匹で退屈な時間を長く過ごしているため、新しい物にすぐに興味を持ったり、ペットに大切な「待つ」ことも、すぐに学べます。
自分で選ばず運に任せになるため、運命の出会いとも言えますし、飼い始めると「うちの子が一番カワイイ」になります。
毛色がノーマルの個体が売れ残りやすく、結果的に安く体が強い個体が手に入りやすいです。