もうオヤジとは言わせない!コレさえ読めばハムスターの達人に!

ハムスターに適した温度・湿度(適温・気温・適湿)

ハムスターに適した温度・湿度 リード画像

ハムスターは温度変化の少ない地中に巣を作って過ごす動物なので、暑さや寒さに弱く、体力も少ないため、油断していると短時間で死んでしまいます。

適温を知って、快適に過ごせるように飼育環境を少し工夫することで、凍死や熱中症などの死亡事故は簡単に防げます。
また、季節に合わせた生き生きした姿も見ることができ、飼育の楽しみが増えます。

適した温度・湿度

くん煙材を使用するため、ケージを家の外に出すと10分くらいでこうなりました。

ハムスターは恒温動物(内温動物)で自分で体温を調整できるため、資料によって温度に差があります。
しかし、体温を一定に保つ必要があるから熱を作れるだけで、暑いと発熱を抑えるために生命活動が止まり、寒いと発熱が間に合わなる弱点もあります。
ハムスターは体が小さく体力が無いため、10分程度で亡くなることもあり油断はできません。

20~26度 健康なハムスターに適した温度
20〜22度 発情に適した温度
22~24度 育児に適した温度
20~35度 人工保育に必要な温度(成長に合わせて下げる)
40~60% 適した湿度
〜10度 疑似冬眠、日内休眠を起こし、凍死して亡くなることがある。
27~30度 運動量や食欲が低下し、極端に弱る個体がでてくる。
30度~ 健康な個体でも、熱中症になり亡くなることがある。

10度以下、30度以上になると危険なので、ヒーターやエアコンなどを利用して、快適に過ごせるようにしましょう。

温度に関する注意点

1匹だけケージ張り付いているのは、この個体の体が弱い証拠。この個体の行動を基準に温度調整します。

巣箱の温度を適温にする

勘違いしている人が多いのですが、ケージの中の温度ではなく巣箱の中の温度です。
巣箱は野生での巣穴で、巣の外は季節に合わせた温度にしないと、うまく換毛(夏毛と冬毛が生え替わる)できないなど体調を崩すきっかけになります。
ケージ全体を適温にする必要があるのは、病気と育児の時くらいです。

ゴールデンは寒さに弱く、ロボロフスキーは暑さに弱い

普通は大きい動物ほど寒さに強いですが、ハムスターは反対に、大型のハムスター(ゴールデン)ほど寒さに弱く、小型のハムスター(ロボロフスキー)ほど暑さに弱いため、冷暖房が必要な時期が少しずれます。
ゴールデン、チャイニーズは巣に固執するため暑いのか寒いのか分かりにくいですが、馴れたロボロフスキーは快適な所に、移動して寝たり、寝床作りするので、温度変化が分かりやすいです。
経験的に、どのハムスターも室温が20度くらいのときが、最も元気に過ごしているように見えます。室温が20度だと、巣箱の温度は体温で少し高くなります。

毛色や体格の差も影響する

肥満になりやすい、ジャンガリアンのパールホワイトやプディングは冬体質で、ゴールデンのロングヘアーも暑さに弱いため、エアコン必須。
細い個体はエネルギーをうまく作れないことが多いため、暑さも寒さにも弱く、温度変化にも敏感で体調を崩しやすい。

暖めるときは下から、冷やすときは上から

ヒーターはケージか巣箱の下に設置する。保冷剤は巣箱の上に設置すること。
ハムスターが下向きに丸まって寝るのは、お腹を冷やすと自律神経が乱れ、体調を崩すからです。
パネルヒーターとひよこ電球を併用するときは、巣箱の下に敷いたパネルヒーターを出力の高い物にしたり、ハムスターとの距離を変えて調整すること。

扇風機、エアコンの風をハムスターに直撃させない

風は当たると毛に溜まった熱が逃げるので快適に思えますが、特に感覚毛(ヒゲなど)に風が当たると嫌がります。
人間だと顔に髪の毛が張り付いたり、頭の周りに蚊が飛んでいる感じだと思います。また、ハムスターは人間のように汗を搔かず、自分の臭いも消えてしまうので、不快にしか思わないようです。
保冷剤を使って冷風を送ったり、パソコン用のファンやうちわを使っていろいろ試しましたが、暑くてもしばらくすると風のないところに逃げてしまいます。
エアコンやファンヒーターで快適にしているつもりでも、不快で巣箱に逃げているかもしれません。

暑さ対策用品だけでは危険

ストーンベッド、アルミの板、陶器の巣箱、たこつぼ、ケージに敷くすのこなどは、気温が高いとほとんど役に立ちません。
冷蔵庫の中に入れるとどんな物でも冷えるように、いずれ気温と同じ温度になります。温まったり冷えたりするスピードが違うだけです。
巣箱が暑いと、ストーンベッドの上で体温を下げ、ストーンベッドが温まると巣箱に戻ります。飼育環境によっては全く使わないこともあります。エアコンの補助程度に使いましょう。

毛布などでケージをくるまない

ケージにタオルや毛布を掛けてもあまり断熱効果が薄く、自然の光を完全に遮断してしまうと、換毛に失敗することがあります。
直射日光には気をつけ、夏は通気性を確保し、冬は段ボール箱でケージの一部を囲う程度にする。

巣箱を快適にする方法

人間用の冷暖房器具だけでは巣箱の中の温度調整は難しいので、少し工夫しましょう。
ハムスターは自分でウッドチップを使い温度を微調整するので、底がある巣箱は夏も冬も不向きです。

巣箱の温度を測る方法

巣箱を開けてしまうと空気が混じり正確な温度が測れず、ハムスターに嫌われてしまうので、センサーが別になっている温度計を使います。
おとなしいハムスターでも、巣箱にセンサーが刺さっていると気になるようなので、センサーのケーブルを齧られないように工夫すること。センサーは齧られたくらいでは壊れないですが、センサーを引っ張ってケーブルに悪さをしてしまいます。
温度計もそれなりの値段がするし、冬になると必要になるので、温度計機能が付いた空中サーモスタットを使った方が手っ取り早いです。

夏の巣箱

  • 夏は段ボールやお菓子の空き箱(厚紙)など、薄い素材を使い巣箱にする。
  • 出口は大きめにして通気性を確保する。入り口は小さいままで。
  • ハムスターが巣箱を齧って通気性を調整することがあり、道具がないとセンサーも挿せないので、木やプラスチックなどの巣箱は不向き。
  • ガラスのケージはそのままでもよいが、できればストーンベッドを巣箱の底に敷く。
  • 保冷剤を巣箱の天井に置き、ケージより巣箱の温度を低くする。必ずエアコンと併用し、水滴、保持時間に注意する。

冬の巣箱

  • 巣箱の出入り口をウッドチップで塞いで、ハムスターが自分で温度調整することがあります。出入り口の高さがあるとうまく塞げないので、少し低い出入り口がよい。
  • ヒーターが暑かったり寒かったりすると、寝床にウッドチップを盛って上に逃げようとするため、巣箱の高さを高めにする。
  • 出力の低いヒーターでは温度が低く、出力の高いヒーターだと温度が上がり過ぎることがあるため、サーモスタットは必ず使うこと。温度調整できるヒーター単体だとかなりいい加減。
  • フィルム状の薄いヒーターはケージのに敷く、ケーブルに齧り防止加工や防水加工してある物は巣箱に敷く。
  • 木の巣箱は、ヒーターの熱や湿気で割れたり反ったりして隙間が空き、ヒーターが原因で凍死することがあるので注意する。

暑いときの行動


かわいすぎて寝苦しい表情すら分かってもらえないのが、ハムスターの弱点かも。

我慢できないくらい暑くなったときの行動なので、一つでも行動に変化が現れると要注意。
体調が悪いと適温でも異常行動を起こす場合があります。

仰向けに寝る

巣箱の中で仰向けに寝ていることもあり、実は結構危ない。この姿をかわいいと思っているうちは、ベテラン飼い主になれない。

ベタッとして寝ている

「溶けている」と表現するパターンです。体の表面積を増やし体を冷やそうとしています。野菜にくるまって寝ることもある。

寝癖がついている

変な格好で寝ている証拠。体毛の長いロボロフスキーがなりやすい。


口が開いて危険。寝苦しそう。

息が荒い。口が開いている

より空気を吸い込んで体温を冷やそうとしている。かなり危険。

巣箱以外で寝る

いわゆる「野良寝」です。トイレ、砂浴び場の砂を掘り、そこで寝る。暑く眠れないため、回し車、巣箱の外、砂浴び場でぼーっとしていることもある。

ケージの底が見える場所がある

床材にしているウッドチップや新聞紙を掘って、ケージで直接体を冷やしている。ケージの側面に張り付いて寝ていることもある。

体毛が黄ばむ

体にオシッコを付けて体を冷やすため。給水器の水を使うこともある。

オシッコの量が増える

水を大量に飲んで体を冷やしている。水を飲みに出てくることも増えが、昼に飲むことが増えるので水を飲んでいる姿を見ないこともある。


暑さに弱い腹と睾丸を冷やしています。

巣箱やケージを噛む

穴を開けて通気性を良くしようとしている。

夜なのにおとなしい

昼でも巣箱からよく出てくる、エサの時間になっても出てこない、来るまで時間がかかる。暑さで寝不足になっている。

エサをあまり食べない

食べると体温が上がるため。弱っている個体には致命傷になります。

お腹側の毛繕いを頻繁にする

毛に溜まった空気を入れ換えるため。体が温まると、痛みやかゆみが増すので、病気の症状の可能性もある。

胸の毛、足の毛が薄い

自分で抜いたり毛繕いしているうちに抜けてしまう。胸の毛を抜くのは肺を冷やすため。

寒いときの行動

寒くなると巣箱の中で過ごすことが増えるため、普段なら簡単に見つけられる行動や病気も見逃しやすいです。

巣箱からあまり出てこなくなる

ヒーターの熱で巣箱が暑くなりすぎると、巣箱から出てくることが増えたり、冬でも巣箱以外で寝ることもある。

巣箱にウッドチップを運び込む

冬用の寝床を作っているだけなら問題なし。

いつもより餌を溜める

巣箱に必要以上にエサを溜める場合は、ヒーターの熱でハムスターや野菜から出る水分で湿度が上がり、巣箱に水滴が付いたりカビが生えることがあるので注意。

巣箱の出入り口をウッドチップでフタをする

ケージの出入り口を埋めようとすることもあります。ヒーターの出力が足りていない可能性がある。

散歩に出そうとすると逃げる

冬はケージからも出たがりません。ケージを齧って脱走しようとする行動は、冬の間は止めるかもしれません。

回し車を走らない

運動して体温を上げようとせず、体力を温存しようとします。

各地の気温・湿度

全く冷暖房が必要ない時期もありますが、思ったより温度差があり、季節の変わり目はどのタイミングで冷暖房を止めるのか、エアコンとヒーターを併用した方が良いのかなど意外と難しいです。
一軒家やマンションの最上階では天井に熱が籠もり、最高気温より5〜10度くらい高くなることもあり、深夜を過ぎてもなかなか温度が下がりません。

北海道(北海道/札幌)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 4.7 8.3 9.6 20.0 27.7 29.6 34.9 29.6 26.9 22.3 17.4 8.8
平均(℃) -3.9 -2.0 1.4 7.7 14.4 16.0 22.9 21.7 17.7 11.3 4.3 -2.0
最低(℃) -12.8 -10.8 -5.7 -2.4 4.2 7.2 16.0 12.5 7.6 1.4 -6.6 -9.0
湿度(%) 70 66 64 59 62 72 73 70 67 63 66 67

東北(宮城県/仙台)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 12.6 17.2 15.5 25.5 29.6 27.5 33.0 32.6 29.7 26.8 20.2 13.9
平均(℃) 2.5 3.2 5.4 11.5 17.0 18.6 25.1 23.0 21.1 14.9 9.1 3.5
最低(℃) -5.5 -3.7 -1.1 1.4 7.2 10.5 19.1 17.0 10.7 7.4 -0.5 -3.1
湿度(%) 64 58 60 58 69 73 79 87 73 78 68 68

信越・北陸(新潟県/新潟)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 11.1 13.3 15.5 25.0 30.6 27.9 34.6 36.4 29.7 26.2 20.9 12.7
平均(℃) 3.1 3.3 6.1 11.6 17.7 19.0 25.9 26.2 21.7 16.4 9.1 3.9
最低(℃) -4.0 -2.2 -0.2 1.6 8.0 10.9 19.0 17.9 11.8 8.0 0.0 -0.6
湿度(%) 79 70 69 68 69 76 81 77 75 77 76 80

関東(東京都/東京)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 19.5 20.6 18.7 26.1 30.9 30.6 35.0 37.1 33.3 29.0 21.9 16.0
平均(℃) 5.8 6.9 8.5 14.7 20.0 22.0 27.3 26.4 22.8 16.8 11.9 6.6
最低(℃) -2.3 -1.6 0.0 4.5 11.3 14.8 20.9 20.0 16.0 9.1 3.2 -0.2
湿度(%) 53 49 60 66 72 73 78 83 79 82 67 56

東海(愛知県/名古屋)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 14.0 15.3 20.2 25.9 32.7 34.0 35.1 35.5 31.9 29.9 22.8 14.9
平均(℃) 4.8 5.2 8.4 14.7 20.5 22.4 28.1 28.1 23.6 17.9 11.5 5.7
最低(℃) -3.6 -1.5 0.8 4.2 10.3 14.3 21.4 21.4 13.0 7.4 2.6 -0.7
湿度(%) 63 58 55 59 59 61 72 71 66 75 67 63

近畿(大阪府/大阪)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 14.8 17.8 19.5 25.7 29.9 32.3 36.4 37.4 32.1 29.0 22.3 14.5
平均(℃) 6.2 6.3 9.2 15.7 21.1 22.7 28.8 29.2 24.4 18.4 12.6 7.0
最低(℃) -0.8 -0.6 1.8 5.0 11.4 15.1 22.8 20.7 16.3 8.3 4.8 0.4
湿度(%) 62 62 56 60 58 63 72 67 66 76 66 60

中国(広島県/広島)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 14.8 15.0 19.5 27.0 29.8 30.5 34.5 37.0 32.2 28.1 21.9 15.0
平均(℃) 5.5 6.1 8.8 15.6 20.6 22.5 28.4 29.0 23.4 18.4 11.9 5.8
最低(℃) -1.7 -1.2 1.5 3.6 12.1 13.8 23.2 22.1 14.9 7.4 3.9 -0.9
湿度(%) 65 62 54 58 56 61 71 64 66 70 65 61

四国(徳島県/徳島)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 15.5 21.2 18.4 24.5 29.0 29.7 34.5 36.2 31.1 29.5 21.6 15.1
平均(℃) 6.6 6.8 9.2 15.5 20.4 22.5 27.9 28.9 24.1 18.6 12.4 6.9
最低(℃) -0.7 -0.1 1.5 5.4 12.8 14.6 22.0 23.6 15.3 9.5 4.3 0.8
湿度(%) 61 61 60 66 66 69 80 74 72 79 71 60

九州(鹿児島県/鹿児島)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 20.4 22.4 21.5 26.5 29.5 31.5 35.7 36.0 34.6 31.3 25.6 18.9
平均(℃) 9.0 9.2 11.6 17.5 21.1 23.3 29.2 29.7 25.7 22.4 15.3 8.7
最低(℃) -0.3 0.6 3.5 5.8 13.6 16.8 23.8 24.1 17.7 12.1 4.1 1.6
湿度(%) 67 64 69 73 71 79 81 77 77 74 75 64

沖縄(沖縄県/那覇)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高(℃) 25.0 24.3 25.0 27.1 29.7 33.2 35.1 34.9 33.9 33.0 27.9 25.5
平均(℃) 18.4 17.1 18.3 21.6 24.2 26.6 29.9 30.4 28.9 27.0 22.8 18.0
最低(℃) 12.3 10.7 11.8 14.8 18.7 19.9 24.9 26.4 23.0 20.0 15.9 13.1
湿度(%) 64 63 67 71 78 85 74 74 75 73 71 61

表は気象庁のホームページから引用した2017年度のデータです。