ハムスターの耳 口 ヒゲの仕組み・使い方
ハムスターの耳
聴覚
- 人間の4倍の音域を聞くことができ、人間には聞こえない超音波を聞き取ることができます。音域であって音量ではないので、4倍の大きさで聞こえるということではありません。
- 人間に聞こえる音が20Hz〜20,000Hz(20kHz)で、よく聞こえる音域が500Hz〜5,000Hz(5kHz)です。ハムスターに聞こえる音は1,000Hz(1kHz)〜50,000Hz(50kHz)で、よく聞こえる音域が5,000Hz(5kHz)〜20,000Hz(20kHz)です。
- 低い音は振動になって体に伝わるので、低い音ならうるさくても大丈夫という事ではありません。
- 超音波は指向性が良いため、音がする方向が分かりやすいです。
- 人間が普段話す声は80Hz〜4,000Hz(4kHz)なので、人間の話し声はハムスターには聞こえにくい高さの音です。実際に、男の中でも低く、年寄りとも会話しにくい私の声は、かなり大声を出さないとハムスターは気づいてくれません。逆に女性や子供は声が高いので、ハムスターには聞こえやすい音ですが、嫌われやすい可能性があります。
- 自然の音には超音波が含まれていることが多く、人間には小さな音や聞こえない音でも、ハムスターには聞き分けることができるので、飼い主には音がしない静かな部屋だと思っていても、ハムスターには騒音に聞こえているかもしれません。
- 高性能な耳を活かして、飼い主や足音などの音を、直ぐに覚えることができます。
コミュニケーション
- 超音波でハムスター同士がコミュニケーションを行っていると書いてある本を見ますが、それが本当なのかは分かりません。私が見ている限り、大人になると臭いで相手の状態を確認しているだけのようです。群れを作らない動物なので、声でコミュニケーションをする必要がありませんし。
- ハムスターは超音波を使って鳴くこともあるので、鳴いてないように感じても、本当は鳴いているのかもしれません。
- 赤ちゃんのハムスターは、超音波を使って母親を呼びます。母親はフェロモンを使って、赤ちゃんに場所を教えます。超音波は、天敵には聞こえず交信できる、効率の良いコミュニケーション方法です。人間に超音波が聞こえないのは、人間がハムスターの天敵でもあるからです。
構造
- 穴を掘るときに邪魔にならないように、後ろに倒すことができます。
- ゴールデンハムスターは、耳で穴の中の高さを測っているようで、触ろうとすると耳を倒します。
- 後ろ足を使って掃除をするので、ケージが汚れていると外耳炎になります。
音は、即座に伝わり、位置を特定できるので、天敵に今いる場所を特定されてしまいます。なので、天敵が多く、逃げる手段の少ない動物は、音をコミュニケーションの手段として使うには不向なのです。だから、ハムスターは滅多に鳴かないのですが、人間に聞こえる音域で鳴くこともあります。天敵である人間に聞こえる鳴き声は、ハムスターにとっては攻撃の意志を示すもので、できれば一生聞きたくない声です。
音が持つ指向性を利用して、リスは落ち葉の上に落ちたドングリの位置を特定できます。ゴールデンハムスターも同じように、飼い主が背後に落としたヒマワリの種の位置を特定し回収できます。音をしっかり聞くことができる余裕が、ハムスターにないと試すことができませんが、5つくらいなら落ちた種の位置を覚えているようです。
ハムスターの口
味覚
- 舌に味を感じる器官は少ないですが、危険な物をほお袋に入れないよう、人間より味に敏感なようです。
- 主に臭覚や触覚で、食べ物を判断しています。そのため、見たことのないペレットでも食べ物だと分かります。
- どんな動物でも本能で、苦い物は毒があり、酸っぱい物は腐っていると判断できます。甘い物は、栄養がある食べ物と判断するので、栄養状態が悪いと食べ過ぎることがあるので気をつけましょう。
- ハムスターは草食に近い雑食なので、人間より苦みには強いです。
構造
- ハムスターの顔が丸いのは、堅い物が食べられるように、強い筋肉がある証拠です。
- 老化しても簡単に弱る筋肉ではないので、歯に問題がない限り堅い物を食べさせましょう。
- 下あごは、かなりの可動範囲があり、大きく口を開けることができます。ロボロフスキーは、大きく開けられないようです。
- ハムスターは口で呼吸することが苦手で、口が開きっぱなしになることはありません。
使い方
- 舌を使って、直接毛繕いをしたり、手足を舐めてから毛繕いします。
- 舌を使って、土や紙に穴を開けることもあります。ケージを舐めているときは、そこから逃げようとしているのかもしれません。
- 舌を使って、ほお袋の中の物を取り出すこともできます。
生まれて間のない人間の赤ちゃんは、嗅覚、味覚、聴覚くらいしか使い物になりません。そのため、人間の赤ちゃんは、それが何かを判断するために、口に入れて確認しようとします。しかし人間は、大きくなると視覚や手の触覚が発達するので、見たり触ったりするだけで、それが何かを区別できます。
ハムスターも同じように、口に入れて確認しようとするので、視覚や手の触覚が発達した大人の人間からは、食べているように見えたり、囓って遊んでいるように見えてしまいます。
ハムスターのヒゲ
構造
- 口の上にある横に長い髭(ヒゲ)のことで、洞毛(どうもう)や感覚毛(かんかくもう)とも言います。
- ヒゲも毛ですが、神経が発達しているので、アンテナや触覚のような役割があります。人間の髭は体毛で、洞毛のない珍しいほ乳類です。
使い方
- ヒゲを擦りながら歩くことで、自分と壁や床などとの距離を測りながら歩きます。ハムスター隠れながら歩く動物などので、ヒゲが触れない場所に居ることは危険だと考えます。
- ヒゲは超音波(人間には聞こえない音や空気の振動)を感じることができるので、仲間とのコミュニケーションにも使えます。
- ゴールデン以外は、目の上にもヒゲのような長い毛があり、高さも測ることができます。
- ごく接近した距離では、ヒゲを使って障害物や餌などを見つけることができ、自分が通ることができるのかも、ヒゲで知ることができます。
- 下方向の視界の足りなさを、ヒゲで補っています。
夜行性で地を這うハムスターは、光の少ない夜や、真っ暗な巣穴でも生活できるように、ヒゲに重要な役割があります。
人間のまつげも感覚が発達しているので、まつげに埃などの異物が触れると、無意識に瞬き(まばたき)をして目に異物が入らないように払い落とします。ハムスターにもまつげはありますが、まつげより目玉が出ているせいか、目に異物が付いていても気にならないようなので、飼育環境や目の病気には気をつけましょう。