ハムスターの飼育用品(トイレ砂 砂浴び場 浴び砂)
トイレ砂
鉱物から作られた砂以外は、実際には砂ではなく何かの固まりですが、トイレ砂と言うのが一般的です。猫が砂の上で排泄するので、猫砂(ねこずな)の形を変えた商品が多いです。
[ 用品検索 ] の記事を書くために、普段なら使わない商品を買っていろいろ試したところ、トイレをしっかり覚えているハムスターが、トイレを使わなくなってしまう商品があることに気づきました。ゴールデンは大丈夫だと思いますが、ジャンガリアンや夏場は気をつけましょう。
トイレ砂を、おおざっぱに分けると、「鉱物系」「木粉系」「漂白紙系」「食物系」「シリカゲル」に分かれます。シリカゲルは加工した物なので、材料によっても違いますが、鉱物系以外は栄養不足になるとハムスターが食べる可能性があります。食べても安全だといううたい文句で売ってある物もありますが、他のペットのトイレ砂と違い、ハムスターは直接砂の上にオシッコをするので、雑菌が繁殖した砂を食べると何が起こるのか分からず、ハムスターにとっては食べられる砂でも、安全ではないことを忘れないようにしましょう。
よく利用する、「鉱物系」「木粉系」「漂白紙系」については、用品検索にも記事があります。
鉱物系
- 長所
- 掃除しやすい。トイレを覚えやすい。
- 短所
- 燃えるゴミに出せない。
固まる砂として売られている商品で、ゼオライト、ベントナイトなどが主原料のグレーの砂です。固まる力が強いので、オシッコをしたところだけ固まり、固まったところだけ捨てれば衛生的で経済的です。また、自然の砂に近く、粒が小さく、重さがあるので、ハムスターがトイレを覚えやすいというメリットもあります。
しかし、色が付いているため、オシッコで健康状態が分からず、砂浴び場として利用したり、ホコリが立ちやすく、不燃ゴミ扱いになるので、処分に困るといったデメリットもあります。そのため、飼育になれてきたら、「木粉系」のトイレ砂に変更することをお薦めします。
砂から出たホコリはハムスターにとってもデメリットなので、ストッカーなどを利用し、最後に残った粉になってしまった砂を使わないようにしましょう。
ハムスターが固まるトイレ砂を食べて、腸閉塞で亡くなった事例を聞いたことがありますが、かなり飼育環境が悪くないと起こらないので、普通は気にしなくて良いです。トイレに餌を溜めたり食べたりする場合は、ケージのレイアウトを見直したり、食事場にトイレをもう1つ追加しましょう。
木粉系
- 長所
- 安全性が高い。燃えるゴミに出せる。
- 短所
- 扱っている店が少ない。
廃材を粉末にして固めたもので、軽いものから重いもの、粒の小さなもの大きなものと、さまざまあります。消臭効果が高く、可燃ゴミとしてゴミ箱に捨てられるのもメリットです。飼育がうまい人なら、木粉系のトイレ砂が最適です。
あくまでも砂に似せた製品のため、飼い方が悪いと木粉系のトイレ砂でオシッコをしないことがありますが、しっかり飼えているのなら、あまり気にすることはありません。砂ではないため、ハムスターがトイレ砂の上で体温を下げるために使えず、トイレを間違った使い方をしなるため、冷却用品は別途用意しましょう。
ハムスターには、できるだけ砂に近いものが良いので、粒が小さく固く、ニオイが少ないシンプルな商品がベストです。
鉱物系のトイレ砂に比べてホコリは少ないですが、粒が壊れると粉末に戻るので、鉱物系と同じく注意は必要です。
水分を吸うと大きな固まりができてしまい、消費スピードが早いですが、長期間放置するとカビが生えやすいので、多めに購入しましょう。反対に考えると、固まりが大きいと捨てやすく、カビが生えるということは安全です。
漂白紙系
- 長所
- 尿の色が分かりやすいので、病気を早期発見できることがある。燃えるゴミに出せる。
- 短所
- かなりトイレを覚えにくい。
白いのでオシッコの色が分かりやすく、紙なのでゴミとして捨てやすいというだけで、軽いためハムスターが力を入れにくく、消臭効果も低いため、メリットが少ない商品です。
トイレを覚えさせることができず、ケージ全体に敷き詰めている人がいますが、悪循環になります。また、白いため衛生的に見えてしまい、初心者が間違った使い方をしてしまいがちですが、鉱物系や木粉系のトイレ砂よりホコリが出にくいだけで、人工物を粉じんとして吸い込んでしまうだけでなく、床材に使うと布や綿を使うことと同じデメリットも持ってしまうために危険です。消臭性や吸水性の悪さを補うために、薬品を混ぜてある商品は、特に使い方を間違えないようにしましょう。
尿の色が確認しやすいため、病気になったときは便利なので予備に持っている程度が丁度良いです。
食物系
コーン、まばらな大きさ
- 長所
- 安全性が高い。燃えるゴミに出せる。
- 短所
- トイレを覚えにくい。雑菌が繁殖しやすい。
おからやコーンなどの、産業廃棄物として捨てられてしまう食べ物のカスを原料とした、木粉のトイレ砂に近い砂です。使用していない物をそのまま食べるのなら、ホントに安全な物もありますが、加工されているので、絶対に安全とは言えません。また、肉食動物は植物性の物を食べても消化できないので、心身共に健康な猫(肉食動物)がゴミを好んで食べることとの比較になるので、生態も食性も違うハムスターでも安全で利用価値が高い物だとは、思いこまないようにしましょう。製品によっては、床材用の素材に消臭材を混ぜただけの物があり、危ない物もあります。
燃えるゴミとして処理でき、エコな製品ですが、安全な物ほどエサに近く、危険な状態の物を食べてしまう可能性があるので、ハムスターには使わない方がよいです。
シリカゲル
シリカゲル、原料は鉱物
ネコ用のシリカゲル、原料は植物
- 長所
- 燃えるゴミに出せる。トイレの覚えやすさは商品によりけり。
- 短所
- アンモニア臭がきつくなる。
シリカゲルとは、水分を吸う粒(つぶ)のことで、洋服ダンスに入れたり、インスタント食品の袋に入っていたりと、普段目にすることも多い乾燥剤(除湿剤)です。しかし、トイレ砂に利用するには、いろいろ問題が起こります。
ハムスターは砂の上に直接オシッコをする動物なので、お尻に直接触れることで炎症などを起こす可能性があったり、お尻に付いたシリカゲルと取ろうと口にするきっかけを作ってしまいます。人工物なので、くっつきやすさも危険性も鉱物系の砂に比べて強いので要注意です。また、ハムスターは乾燥した環境に生息する生き物なので、オシッコが濃く少ないため、シリカゲルにオシッコをすると、水分だけ蒸発してしまい、ニオイが強くなり臭くなってしまいます。さらに、砂を掘ってからオシッコをするので、シリカゲルを避けてトイレの底に直接オシッコをしてしまうこともあり、トイレ砂の意味がなくなることもあります。
以前、植物から作られた食べても大丈夫といううたい文句のシリカゲルを、試しに使ったことがありますが、ケージに入れた瞬間にホントに食べられたことがあります。食べたのは初めて使ったそのときだけで、そのシリカゲルが原因で亡くなったハムスターは恐らくいませんが、加工方法によっては、そんなこともあると覚えておきましょう。
人工物なので安全とは言えず、危なっかしい素材なので、ハムスターのエサを入れているストッカーに入れて、エサを湿気から守るなどの、別の目的に利用しましょう。ちなみにシリカゲルは、干したり、電子レンジで乾燥させると、再利用できます。
まとめ
猫用に売られている猫砂などを利用すると安くつきますが、ハムスターに利用する場合は、小さな粒の方が良いので、ハムスター用に売られているトイレ砂を利用した方が、トイレの利用率が上がります。
また、ハムスター用のトイレ砂を利用する場合でも、大きめのストッカーに入れて保存しておくと便利です。米などを保存するストッカーを利用すると、湿気や害虫からトイレ砂を守ったりできるだけでなく、付属の計量カップを利用して砂を入れ替えたり、掃除用のスコップを突き刺したまま保管できます。
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砂浴び場と砂浴び砂
砂浴び場は、毛に付いた汚れや嫌な臭いを取るのが目的なので、初心者ならかならず必要です。飼育の上手な人なら使わなくても大丈夫ですが、病気になったときなど必要になることがあるので、いつでも使えるように持っていた方がよいです。
砂浴び場の大きさは、ハムスターが中で手足を伸ばしても十分な広さと、ハムスターが浴び砂に埋もれる深さが必要です。トイレと同じように、砂を掘るだけでなく無防備な格好になるので、屋根はかならず必要です。
チンチラなどに利用する粒の細かい砂は、汚れが取れやすいですが、ホコリが出やすいため、餌に混じって食べてしまったり、目や耳に入り炎症を起こすことがあります。また、嫌な臭いを取りやすいですが、自分自身の臭いも取れてしまうので、使いどころが難しい砂です。
ハムスターには、焼砂などの少し粒の粗い砂が利用しやすいですが、飼育環境が悪いと、砂浴び場をトイレとして利用するだけでなく、砂浴び場で餌を食べたり眠ったりと、砂浴び場で生活をしてしまうことがあります。乾燥地帯に住むハムスターにとっては、砂の上が快適なのは当たり前なのですが、砂の上より快適な飼育環境を作ることで、砂浴び場で生活してしまうことを防げます。また、砂浴び場をトイレとして利用してしまう場合は、ケージのレイアウトや接し方だけでなく、トイレ砂とのバランスを考えると、問題が解決しやすいです。夏場だけなら、ケージの中の暑さが問題なので、ケージの中の温度が下がるようにしてあげましょう。
浴び砂の原料の「珪砂(けいしゃ)」は、ガラスの原料や研磨剤に使われる硬い砂なので、間違って食べたりしないよう気をつけましょう。
トイレを覚えさせられない飼い主が、トイレ砂の代わりに浴び砂を薦めることがありますが、衛生的ではないので使わないようにしましょう。
焼き砂、夏は冷却性抜群
プレイリードッグ用、少しホコリっぽい
正しく床材を使えているのなら、ほとんどの汚れは床材にこすれて自然に取れるので、ハムスターは顔を洗うなどの最低限の毛づくろいをするだけで、清潔に過ごせます。そのため、飼育の上手な人の環境では、全く砂浴びをしないので、砂浴び場が必要ないという状態になり、ケージの中のスペースも有効に使えます。
その反対に、砂浴びをよく目撃する場合は、飼い主に接した後に、飼い主の臭いを取ろうとする行動や、耳やヒゲなどの情報収集器官を掃除して、敵をすぐに発見できるようにする行動なので、ハムスターが飼い主や環境になれていないという証拠になります。
また、掘っても無駄な砂を掘ることは転位行動なので、頻繁に砂浴び場を掘ったり、トイレの砂を掘ったりする場合は、飼育方法を見直す必要があります。
散歩を習慣化させている場合は、ハムスターの通り道に、プレイリードッグ用の大きな砂浴び場をケージの外に置いておき、散歩の中に利用してもらうのもアリですが、この方法はハムスターが本物の砂を掘りたいという衝動を軽減するためだけにしかならないので、あくまでも上級者向けの方法です。しっかり飼えているのなら、なわばりの巡回に寄ってみるだけで、多くても週に2回くらいしか利用しないので、それを目安にしましょう。
スターターセットのような初心者用に売られているケージでは、砂浴び場が付いておらず、砂浴び場を設置するとケージがかなり狭くなるので、悪い循環が起こる原因になります。そのため、初心者は、砂浴び場はケージの中に置く物で、砂浴び場を配置してもケージが狭くならないような、大きなケージが必要なんだと考え、飼育用品を選ぶようにしましょう。