アガリクスの抗腫瘍作用とは
ペレットに含まれていたり、動物病院で処方されたことがあるかもしれません。
株、抽出方法、ただの圧搾カスなど、名称は同じでも全く違う物があります。
正確にはキノコ類の記事です。サメ軟骨についても少し書かれています。
「なんか無茶苦茶眠い今日この頃」の[USER0104]です。
ここのところハムちゃんの腫瘍の話が続いていますので、本日は、抗腫瘍作用を持つと言われている食品について少々。
最近キノコの抗腫瘍作用が注目されています。研究自体はまだスタートしたところですが、幾つか面白い結果が報告されています。
今回は最近小生が目にしたマイタケに関する報告を、簡単にまとめてみました。
現在米国でマイタケは、alternative (代替治療)分野でその薬効を認められ、 GNC(General Nutrition Center:全米に3,000 のフランチャイズを持つ大手健食チェーン)にも置かれるようになりました。
抗ガン作用を持つと考えられているのは神戸薬科大学の難波教授が発見したD-fractionと呼ばれる画分で、熱水抽出物の第4番目の画分であることからこのように命名されました。
主成分はβ-グルカンと呼ばれる多糖類で、タンパク質を約30%含んでいます。
β-グルカンの構造は、β1→6結合したグルコースの主鎖からβ1→3結合したグルコースの側鎖が1〜2個ぶら下がった格好をしています。
主な作用として、以下の様なものがあります。
1)免疫賦活作用(特にNK細胞)による腫瘍細胞の増殖抑制
2)転移と再発の抑制
3)抗ガン剤の副作用の緩和
4)抗ガン剤との併用による相乗作用
5)経口投与でも腹腔内注射や静脈注射でも有効
6)副作用が無い
D-fractionが経口でも注射でも効果がある、というのはなかなか面白い事実です。但し、マイタケも全ての腫瘍に対して有効という訳ではなく、皮膚ガン,胃ガン,骨ガン及び白血病には効果が低いようです。特に白血病の場合、免疫賦活という手法では病気の進行に間に合わないようです。
人間への応用はこれからの課題のようであすが、ラットのデータを見た限りでは、かなり魅力的な素材です。他のキノコでは、シイタケ,エノキタケ,ヒラタケ等にもマイタケに近い効果があるようです。残念ながらマツタケには、殆ど効果がありません。
サメ軟骨(血管の新規の形成を阻害するため、ガン細胞の増殖を妨げると言われています)の研究者からは、軟骨製剤との組み合わせで相乗作用があるとの報告もあります。
マイタケのD-fraction以外の有効成分としては、脂溶性画分に血圧降下作用と体重低下作用が認められます。また、マイタケは、糖尿病患者に対しても血糖値や中性脂肪,コレステロールの低下作用が有ると報告されています(おそらくは食物繊維の作用)。
肝心の1日の摂取量ですが、実験ではマイタケを20重量%添加した餌を作り、ラットに自由給餌(好きなだけ食べさせる)しています。マイタケ自体にはさして栄養がありませんので、食が落ちてきた段階でハムに与えるのはちょっと心配です。また、ハム達が喜んで食べてくれるかどうかという問題もあります。
エキス剤ならば吸水ボトルに入れて飲ませるという方法も可能ですが、現在D-fraction(エキス)は、まだ日本では販売されていないようです。
最後に、「要するにマイタケは効くのか効かないのか」ということですが、免疫賦活という機構からするとハムそれぞれで効果に差が出る可能性があり、また、マイタケのみで完治するかどうかにつては疑問が残りますが、小生の個人的な意見としては試してみる価値はあると思います。
いずれにしても、試してみる場合は、獣医さんとよく相談しながら行って下さい(お医者さんの中にはこの手の代替治療を嫌悪される方もいらっしゃいますが、根拠もなく 100%否定されるようなお医者さんは逆に信用できないのではないかと思います)。最終的な判断は、飼い主の皆さんの決断に基づいてお願いします。
散漫なレポートになりましたが、ご不明な点がありましたら、ご質問下さい。DMでも結構です(健康食品としてのマイタケ製剤については、日本国内ではこれからの商材のようですので、小生もまだはっきり動向がわかりませんので悪しからず)。