腫瘍の遺伝と発生率・近親交配の問題
腫瘍を遺伝させない繁殖方法と、実験動物の腫瘍の発生率など。
ペットと実験動物とは血統が分かれてしまっていますが、十分に参考にできるデータです。
記事にある担がんとは癌を見つかったという意味で、癌で亡くなったのかは分かりません。
[USER0111]です。こんにちは。
[USER0111]です。
腫瘍が多いのはやっぱり実験動物として広まったという経緯から仕方のない事なのでしょうか?私たち一般のハム飼いの努力で腫瘍になり難い遺伝子を持ったハム達を広める事は出来ないものだろうか?と、思ったりもするのですが...。
ちょっと考えてみたのですが。
1.近親交配をしない
悪い遺伝子を持ってる場合、それが発現する可能性が高くなると思います。
因みに 実験動物は20代以上兄妹交配させたものです。
2.腫瘍が出来たはむはなるべくなら繁殖させない。
うーん。これはちょっと可哀想かもしれないのですが・・・。
[USER0119]です。こんにちは。
レス、ありがとうです。
ちょっと考えてみたのですが。
1.近親交配をしない
悪い遺伝子を持ってる場合、それが発現する可能性が高くなると
思います。
因みに 実験動物は20代以上兄妹交配させたものです。
2.腫瘍が出来たはむはなるべくなら繁殖させない。
うーん。これはちょっと可哀想かもしれないのですが・・・。
実は私も同じような事は考えたんです。でも、実際問題として可能かどうかですよね。例えば、ペットショップにハムスターを卸しているブリーダーの所で近親交配がバンバン行われているようなら、その地域内のペットショップで手に入るハムスターはほとんどが血縁にあるわけですよね。んで、それを避けるには大阪のショップのハムと東京のショップのハムを掛け合わせると...。
今の実験動物が20代の交配で出来たものなら逆の交配を20代繰り返せば元に戻るのでしょうか?
腫瘍が出来たハムは繁殖させないってのは正当な手段だとは思います。ただ、うちの太郎みたいに繁殖期が終わってから腫瘍の出来る子は繁殖を避けようがないんです。生まれた子のうち何割かは腫瘍の出来る子になっちゃってるでしょうね。となると、繁殖をさせながらその個体の親に腫瘍が出来たか出来なかったかを記録に取りながら、腫瘍の出来易い個体と出来にくい個体を分けていくしかないのでは...と思うのです。
#きっと膨大な時間を使って莫大な数のハムスターを相手にデータを整理していかなくちゃ出来ないような気がしますです。(;_;)
#でも、出来るものなら...。
1.近親交配をしない
悪い遺伝子を持ってる場合、それが発現する可能性が高くなると思います。
因みに 実験動物は20代以上兄妹交配させたものです。
2.腫瘍が出来たはむはなるべくなら繁殖させない。
うーん。これはちょっと可哀想かもしれないのですが・・・。
実は私も同じような事は考えたんです。でも、実際問題として可能かどうかですよね。例えば、ペットショップにハムスターを卸しているブリーダーの所で近親交配がバンバン行われているようなら、その地域内のペットショップで手に入るハムスターはほとんどが血縁にあるわけですよね。んで、それを避けるには大阪のショップのハムと東京のショップのハムを掛け合わせると...。
この議論のスレッドをおっていないので,前にどのような議論が行われていたのか解りかねますが...??????
実験動物の定義ですが,「20代の交配で出来たもの」ではありません.
「20代の交配で出来たもの」は「近交系」といいます.
ちょっと思考実験をしていただきたいのですが,人間のだいたい4人にひとり以上はがんで死亡しています(日本の場合).死亡時にがんを抱えていた率はもっと高いでしょう(つまり別の直接的要因で死亡した場合でも,体の中にがんがあった可能性です).人間は近親婚を繰り返した実験動物なのでしょうか?
今の実験動物が20代の交配で出来たものなら逆の交配を20代繰り返せば元に戻るのでしょうか?
遺伝的距離の離れた近交系同士かけあわせれば,その仔の遺伝子はかなりヘテロになっています.
腫瘍が出来たハムは繁殖させないってのは正当な手段だとは思います。ただ、うちの太郎みたいに繁殖期が終わってから腫瘍の出来る子は繁殖を避けようがないんです。生まれた子のうち何割かは腫瘍の出来る子になっちゃってるでしょうね。
はい,全くそのとおりです.重要な指摘です.別にハムスターでも,人間でも他の哺乳類でも大まかには同じ傾向(寿命がつきるまで生きていると何割かはがんになる)があります.
大きな理由としては
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繁殖期が過ぎてからかかることの多い病気は「淘汰(古典的遺伝学用語です)」の対象とはなりえない.
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からです.つまり,がんを含めて繁殖適齢期以前に病気になった場合,子孫を残せないが,逆に繁殖適齢期以降の病気の場合,子孫を残せてしまうからです.「小児がん」が珍しいのはそのためです.
兄妹交配を繰り返した近交系動物が,すべての種類のがんを高率に発症するということは「ありません」.「がん」発症に関与する遺伝子はたくさんあり,発症過程は多段階で,しかも器官,組織ごとに関与する遺伝子の組み合わせ(現在ではかなり明確に関与する遺伝子が解ってきています)が異なります.
近交系では理論的にはすべての遺伝子がホモ(実際には厳密にはちがいますが)になっています.そのため,ある特定の系統(研究が進んでいるのはマウス・ラットが中心です)では例えば「肺がんにはなりやすけいけれど乳がんにはなりにくい」といった特徴があります.
とここまで書いてきて(どこで議論がおかしくなったのかが)気になったので,前のメールをさかのぼって読んでみたのですが,
獣医さんの話によると、ハムスターは実験動物だったので、実験用に「ある年齢くらいになると腫瘍ができる」系統のハムちゃんが作られたそうなのです。
もしそうなら、腫瘍のできるハムちゃんが多いのじゃないかと思うのでちょっと悲しくなりました。
この獣医師は???
ここからが始まりのようですね.少なくともジャンガリアンハムは実験用系統として,特定の腫瘍高発系近交系統の作出は行われたことは「ありません」.それどころか,少なくともジャンガリアン,キャンベルは実験動物としては「ほとんど使われていません」.つまりこの獣医師が[USER_NAME]さんに話した内容は???
ということで,スレッド自体がなりたたなくなってしまいますが.
となると、繁殖をさせながらその個体の親に腫瘍が出来たか出来なかったかを記録に取りながら、腫瘍の出来易い個体と出来にくい個体を分けていくしかないのでは...と思うのです。
むしろ特定の家系で特定種類の腫瘍ができないとしたら,その仔同士を掛け合わせれば(つまり近親婚),その子孫にはその特定の腫瘍はできにくいといえます.
すくなくとも「近親婚=すべてのがんができやすくなる」という関係は「成り立ちません」.
ということで失礼します.
たぶんゴールデンハムスターの事をご存知で、同じハムスターだからと言う事でジャンガリアンもキャンベルも皆同じ....くらいに考えているのでしょうね。
下にゴールデンの発がん率のデータをつけました.
この情報、私だけが持っていても仕方がないのでMLの方にも転載したいのですがかまいませんか?
はい.もっとも,[USER_NAME]さんがやんわりと疑問点を指摘されていますので,みなさんも納得されたと思います.
最近はあまりメールを読む時間がとれないので,応対はできませんが.
ちょっと追加.手抜きして資料を調べてみました.
1.ゴールデンハムスターの自然発生腫瘍の頻度
死ぬまで飼育して病理検査した場合のデータ
コロニー別 担がん率
EC ♂26% ♀36%
HC ♂38% ♀42%
CH ♂30% ♀25%
WH ♂59% ♀59%
AH ♂63% ♀51%
2.近交系マウスの自然発生腫瘍の頻度
系統名 観察期間 担がん率
SWR/J 30カ月 ♀♂合わせて 61.7%
LP 143週 ♂26.0% ♀33.3%
129 同上 ♂ 7.3% ♀21.1%
DBA/2 同上 ♂14.9% ♀49.0%
CBA 同上 ♂29.4% ♀54.5%
C57BL/10 同上 ♂33.3% ♀31.4%
C3H 同上 ♂27.6%
C3HK 同上 ♂44.0%
以下略.
文献名:実験動物の生物学的特性データ
ソフトサイエンス社 1989年
特にマウスの発がん率に関するデータ(自然発がん,化学発がん,腫瘍のタイプ別等々)は膨大な量があります.
3.人間のがんによる死亡者は,日本では大体4人に1人です.
死亡時における担がん率は,もっと高くなります.
ハムもマウスも人間も,年をとるとかなりの頻度で,がんになるといえます.
近親交配で「がん」になるとすると,人間は???
ちなみにイヌもネコももちろん「がん」になります.
担がん率の具体的なデータが今手元にありませんが,どちらも10才ぐらい(高齢!)で担がんのピークを迎えるようです.
それでは失礼します.