初心者に多いストレスを感じやすい状態
初心者に多いストレスを感じやすい状態
必要以上にさわる
ハムスターを必要以上に触って、ストレスを感じさせてしまうことは、多くの初心者がやってしまいがちで、ハムスターに噛まれる理由にもなります。
ハムスターは群れを作らない動物なので、他人(自分以外)との接触を極端に嫌います。嫌がっているハムスターを触ることは、人間のセクハラ以上にストレスが溜まるので、できるだけハムスターにさわらず飼育することが大切です。
お互いをよく知っている人間同士でも、突然、抱きついたりすると、身動きできないためストレスを感じてしまい、驚いたり、逃げようと暴れたりします。懐いていたり、触る必要があっても、驚かせないように注意しましょう。
安心できる場所がない
ハムスターは備えを大切にする生き物で、ほお袋を持っているのも、地中暮らしに適した体になっているのも、巣の外の敵(自分以外のハムスターも含む)に襲われないようにするためです。
そのため、大きな音や強い臭いがするなど、周りの状況を必要以上に感じさせてしまうと、ケージや巣箱に侵入されやすいとハムスターが考えてしまいます。すると、常に外敵に注意しなければならず、ストレスを溜めやすく、安心して休むこともできなくなり、悪循環を作ってしまいます。
本能的に1カ所でオシッコする習性があるハムスターが、オシッコをあっちこっちでしてしまうのは、ストレスから逃れようとする分かりやすいパターンで、オシッコの臭いを使って臭いのバリアーを作ろうとしている行動です。
無理に覚えさせようと、いろいろケージのレイアウトを変えたり、臭い(くさい)と思って頻繁に掃除をすると、さらにハムスターがストレスを感じてしまい、悪循環になってしまうので、トイレを覚えさせたいと思うのなら、まずは飼い主からのストレスを取り除くべきです。
ケージが狭い
天敵はハムスターより大きいことが多いので、寝たり食べたり隙ができる行動をするときは、狭い場所が安心できますが、ケージが狭いと行動を制限してしまい、本能や習性が満たせなくなります。なので、広いケージを利用し、飼育用品やレイアウトで飼い主からの死角を作り、安心できる場所を確保してあげる飼い方が、ハムスターに良い環境です。
人間も、広すぎるトイレだと安心できませんが、トイレが安全だからといって、ずっとトイレに閉じこもっていると、ストレスが溜まるだけでなく、生きる気力もなくなります。
初心者はケージが狭すぎて、必要最低限の縄張りすら確保できず、飼育に慣れてきた頃にハムスターを増やし、過密飼育で周りが敵だらけになるのが、ありがちなパターンです。
野生では、巣穴が2〜3メートルあり、静かで安全です。縄張りは10〜30メートルくらいあり、近くに他のハムスターも住んでいません。その広さを、飼育環境で再現するのは無理なので、多頭飼いや繁殖などで過密飼育にして、さらに悪い状態を作らないようにしましょう。
過密飼育の問題は、全てのハムスターがストレスを我慢し続けるだけで、解決はできません。単独飼育の場合は、ケージを大きな物に交換したら、縄張りの確保でき、ハムスターがフレンドリーになったという話も多いので、できるだけ大きなケージで飼育しましょう。
人間が確認しやすい
指先の感覚だけで、コインの種類を当てようとすると、無意識に目線をそらせたり目を閉じたりします。他の情報収集器官をオフにすると、集中力が増すからです。そのため、感覚器官が鋭い動物ほど集中が苦手で、耳など危険を感知するための機能は簡単にオフにできません。
食べるときは、味覚や嗅覚以外をオフにした方が、食べ物の成分分析も正確にできるので、健康的においしく食べられます。しかし、ハムスターは目が良くないうえ、口元が見えないのに、目を開けて餌を食べます。それは、餌を食べるときに隙ができるので、敵に狙われる可能性が高くなったり、餌を奪われたりするので、周りを警戒しているからです。
ハムスターが安心して餌を食べられないと、本来なら必要な栄養を含んだ物を選んで、おいしく食べるはずなのに、カロリーの高い物を急いで食べてしまい、肥満や病気になりやすくなります。
人間は天敵がいないので、兄弟でおやつの奪い合いになるようなことがなければ、生きるための要求を満たす行為なので、食事中はリラックスしていると思います。しかし普通は、どんな生き物でも食事中でも緊張しているので、飼い主が近くにいれば、敵から襲われることがない思えるようにしてあげましょう。
他にはトイレを利用しているときや、顔を洗っているとき、回し車を走っているときなど、飼い主がハムスターを確認しやすいときは、天敵に狙われやすい状態なので、ストレスを感じやすい状態です。飼育書の写真も、ウンチをして動けないときや、怖がらせてフリーズさせていることが多く、身動きが取れないときのハムスターは、あまり見つめないようにしましょう。
写真撮影でフラッシュの光を問題にする人がいますが、フラッシュの音には反応しますが光には反応しません。ハムスターのような夜行性で身を隠す場所ないと怖がる動物を、眠い時間に明るく広い場所で、肉食動物(人間)に見つめ続けられることの方が問題です。よく懐いているハムスターなら、フラッシュを近づけ過ぎなければ問題にはなりません。