飼い主とハムスターたちの知識の図書館。

妊婦と人獣共通感染症

ハムスターはペットの中でも清潔な生き物で、人医に聞いてもほとんど問題にされることはありませんが、知っておくともっと安全です。
ケージを変えると安全性が増すデータもあり、ケージだけでなく部屋の通気性は確保する必要があります。

投稿日時:
投稿者:USER0077

[USER0077]@ボタンマウスです.

ペットから人に感染する病気に「トキソプラズマ」とかいうのがあるそうです。
で、妊娠している時(特に妊娠初期)にこれに感染すると、流産や死産になる可能性があるとの事です。
妊娠中の血液検査等で感染しているかどうか知る事もできます。

ハムスターもトキソプラズマの「中間宿主」になりえます.が,ハムスターの場合,トキソプラズマの生活環の特徴(無性生殖しかしない)により,全く心配される必要はありません.

妊娠されている女性が,ネコの顔をなめる(普通ネコにキスするという?)ようなことをしなければ問題ないでしょう.

ハムスター関連の人獣共通感染症(人間と動物が共通に感染する病気)として,代表的なものは,

1.ウイルス:リンパ球性脈絡脊髄炎(LCM)
2.寄生虫:条虫(以前でてましたね)

どちらも,以前紹介した文献にでてます.特に妊娠と関係があるわけではありません.

[DED_LINK]
VME 6136: Diseases of Laboratory Animals II
Spring, 1995 Hamsters

それでは失礼します(ああ無責任).

投稿日時:
投稿者:USER0085

[USER0085]です.

1.ウイルス:リンパ球性脈絡脊髄炎(LCM)
2.寄生虫:条虫(以前でてましたね)

どちらも,以前紹介した文献にでてます.特に妊娠と関係があるわけではありません.

VME 6136: Diseases of Laboratory Animals II
Spring, 1995 Hamsters

それでは失礼します(ああ無責任).

やっぱり「無責任すぎる」ので,ふれておきます.

それと訂正:これはまた,ひどいミスです.

リンパ球性脈絡脊髄炎(誤)→リンパ球性脈絡髄膜炎(正)

           Lymphocytic Choriomeningitis

(一部を抜粋)

LCMV is important as a public health hazard, and the majority of reported outbreaks in humans have been associated with contact with infected hamsters. People have also acquired LCM from cultured hamster tumor cells. LCM in persons usually is a mild, flu-like illness with myalgia and fever,but it can be more serious, with evidence of meningitis. Labyrinthitis resulting in neural deafness is a rare sequela. If contracted by a pregnant woman, LCMV can affect the fetus, sometimes causing congenital hydrocephalus and chorioretinitis.

(和訳します)
           リンパ球性脈絡髄膜炎

LCMVは公衆衛生上の危険という点において重要である,そして人間において報告された症例のかなりのものが感染したハムスターとの接触との関連性がある.培養したハムスターの腫瘍細胞からLCMに感染することもある.人間におけるLCMは,通常,筋肉痛および発熱を伴う軽いインフルエンザ様の病状を示す.しかしながら髄膜炎となり,より重症になることもある.迷路炎はまれな余病である.もし,妊娠した女性が接触すると,LCMVは胎児に影響をおよぼす可能性があり,ときどき先天性水頭症および脈絡網膜炎を引き起こすことがある.

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#ちなみにペットのハムスターからの感染例の報告も(小数例ですが)あります.

「特に妊娠と関係があるわけではありません.」と書きましたが,妊娠した女性に選択的に悪影響がでるというわけではないという意味です.

#原著論文に当たっていないので,上記の総説の内容の正確さに関しては,保証しかねます.

投稿日時:
投稿者:USER0091

こんにちは、[USER_NAMEです。

あ、全然関係ないんですが、ハムスターが人間の妊婦に与える影響とかってあるんですか?
誰か知ってる方がいらっしゃったら、教えて下さい。

私も妊婦中にハムスターを飼っていました。お医者様に伺ったところ、「ハムスターは外出するような動物ではない(ネコなどと違って)ので大丈夫。」だとのことでした。でも、「それでも心配なら実家などに預けると良いでしょう。」と教えてくれました。
結局私は、出産予定日ちょっと前に実家に預けましたよ。
ハムスターに人の足をカジカジする癖があったので、産まれた赤ちゃんにかみついたら困ると思って...。
そしてそのハムスターは、今でも実家でのんきに暮らしているそうな...。

それでは。

投稿日時:
投稿者:USER0100

[USER0100]です.

<<リンパ球性脈絡髄膜炎に関する他の紹介例>>

しつこく訂正を書いておきます.
リンパ球性脈絡脊髄炎(誤)→リンパ球性脈絡髄膜炎(正)

Laboratory Animal Medicine
Ameircan College of Laboratory Animal Medicine Seires
Chapter 22 p618
Selected Zoonoses and Other Health Hazards
J. G. Hox, C. E. Newcomer and H. Rozemiarek

(関連のある部分をざっと意訳します)

 感染したペットのハムスターによる家庭内での感染率は,ケージのタイプと屋内におけるハムスターの位置に相関がある.金網のケージはもっとも高感染率に関連があるのに対し,通気性のよくない水槽あるいは深い箱はもっとも低い感染率を示した.
通常の居間にケージをおくことは高い感染率に関連があり,それに対し,人間が生活している通常の領域の外側にケージをおいた場合(例えば地下室)では,家庭内の感染を引き起こさなかった(Bigger et al., 1975).このことは直接的な肉体的な接触が重要でないことを意味し,ウイルスのエアロゾルによる伝播の考え方を支持している.

Biggar RJ, Woodall JP, Walter PD, et al. 1975. Lymphocytic choriomeningitis outbreak associated with pet hamsters. Fifty-seven cases from New York State. JAVMA 232:494-500.

タイトルからすると,New York Stateの57例からのレポート,ということのようですね.

#LCMVに感染したハムと同居している場合,ワンルームマンション(アパート)で金網ケージで飼育するというのが,もっともハイリスクということになりますね.

とりあえず簡単に.

投稿日時:
投稿者:USER0001

[USER0001]です.

でもでも、LCMVに感染してるかしてないかなんて、分からないですよねぇ。


そのとおりです.LCMVにネズミさんが感染しても,通常は不顕性(感染しても症状がでない)ですから,確かに見た目でわかりません.

ヒトでもネズミでも,血液中の抗体価(ウイルス抗原に対してできた抗体の一種の強さの尺度)で感染しているかを調べます.ネズミに関しては血清を使った検査法はルーチン化されています(研究用の場合ですが).動物病院で検査システムがどのようになっているのか,私にはわかりません.

#LCMVに関しては仕事の必要にかられて(ときどき野生のネズミにかまれるので)得た知識しかありません.特に専門というわけではありませんから,例えば「日本におけるペットのハムスターのLCMV陽性率」等はわかりません.獣医系の雑誌等に紹介記事がでているかもしれませんが.

無責任な返事でごめんなさい.

投稿日時:
投稿者:USER0016

[USER0016]です.

訂正です.またも
(誤)
Laboratory Animal Medicine
Ameircan College of Laboratory Animal Medicine Seires
Chapter 22 p618
Selected Zoonoses and Other Health Hazards
J. G. Hox, C. E. Newcomer and H. Rozemiarek

(正)
Laboratory Animal Medicine
Ameircan College of Laboratory Animal Medicine Series
Chapter 22 p618
Selected Zoonoses and Other Health Hazards
J. G. Hox, C. E. Newcomer and H. Rozmiarek

(誤)Bigger et al., 1975

(正)Biggar et al., 1975

#読み直さずに送っているのがばれますね.

投稿日時:
投稿者:USER0444

[USER0444]です。

以前に話題に出ていたかもしれないのですが、妊娠期間中にハムを飼っていても大丈夫でしょうか?

確かに過去に何度か話題になってます。
ちょっと検索のキーワードが思い出せないんですが(^^;

この前、とある産婦人科のページのQ&Aコーナーを見ていたら、「妊娠中のペットはよろしくない」というようなことが書いてあったので。

いわゆる「トキソプラズマ」の話ですね。
一番よく耳にするのは「猫はダメよ!!」ってやつでしょうか。

でもMLの中にはお子さんのいらっしゃる方もおられますし、実際はどうなのかな、と思いまして。

すでにML内でも妊娠期間中のペット飼育などを実践された方がおられたはずなので、出てきていただくのが一番なんですが、とりあえず情報という事で。

もし手元にアニファのバックナンバーがあるようでしたら No.7(1996年冬号)をご参照ねがいます。

簡単にいうと「トキソプラズマ」ってのは昨今良く耳にする「人畜共通感染症」のひとつですね。これはトキソプラズマ原虫ってやつが感染した結果、胎児に悪い影響がでるとされているものですが、実際のところはそれらの結果とされる病状との因果関係は立証されていないそうです。

また全ての妊婦さんに影響があるかというとそうでもなくて、抗体のないひとが妊娠期間中に感染したら....ということなので、すでに抗体を持っていれば感染の心配はないわけです。これらについては病院に行けば簡単に調べてもらえるそうですので、気になる方は一度調べてもらうのがいいでしょう。
仮に調査の結果、抗体がないと分かっても、普通の人畜感染症の予防と同じでペットの糞尿を触った手で人間の食材を触らない、生肉を控えるなどの対処をすることで、十分回避できるものです。

ということで、あまり神経質になる必要はないと、私は考えています。

投稿日時:
投稿者:USER0017

[USER0017]です。

ということは、動物と接する機会の多い人は抗体を持っている確率が高いのでしょうか?

んと、この説明ってあくまでも猫が持ってる「トキソプラズマ」についてのモノです。トリさんと暮らしてる人がトキソの抗体を持ってることはないと思うし、他にも...と言ったところで、抗体があればOKよ、なんて病気ばかりじゃないです。

ということで、あまり神経質になる必要はないと、私は考えています。

なーんだ、大丈夫だー。と安心したところで

あんまり安心しきらないようにね。
人畜共通感染病だけでなく「アレルギー」だって問題になってきます。
ただし、アレルギーは動物と暮らしているかどうかだけではなく、妊婦さんの体質や妊娠期間中の食生活なんかも大きく関わってきます。